第2話 ページ4
主人公side
バイクでかるーく回ってから帰ろうと思って少し遠回りの道を通り、信号待ちしている時だった。
長い三つ編みを揺らして走る女の子を見た。
何回かつんのめってのろのろと走る女の子。
純情そうな、運動苦手そうな、顔は見えないけれどぱっと見清楚系。うちの学校の中等部のセーラー服を揺らして走る女の子。
学校さぼりそうなタイプには見えないが、顔は見えなかったがぱっと見の見た目が好みの女の子。
信号が青になり少し走ったが、最近別れたのもあり、あの子の顔がどんなのか見てみたい好奇心に負け、Uターンをして女の子を追いかけた。
のろのろと走ってたからそんなに離れてないだろうと、なんて声かけてナンパしようかとルンルン気分で飛ばして走る。
「考えてみりゃナンパ初めてだなぁ」
さてさて、あの子はどこだろうと横目で探しながらいると視界に入ったのは隣町の不良高のやつに胸ぐらを掴まれているあの子。
思わず二度見した、おうおうおうまじか!!
バイクを路上に停めて慌てて道を渡る。大きな目から溢れる涙、顔もドストライクなあの子を助けるために力加減も考えず胸ぐらを掴む手首を折る勢いで掴んだ。
「女の子、泣いちゃってるじゃん」
相手がパッと手を離したせいで尻から落下したのが視界の端に入り、少し焦った。尾骶骨折ってないよな?
声をかけたいがまずはこれを追っ払ってからだな。
それから助け起こさなくては。
頭の中でどうやって声をかければいいかシミュレーションしてだな、どうやればカッコいいだろうか。
「いってぇなぁ!!てめぇ!!」
標的をあの子から俺に変えた相手は俺の胸ぐらを摑みかかる。唾が飛んで汚ねぇな。
殴りかかるよう拳を振り上げたモーションで相手は止まる。俺の顔をまじまじと見て。
「どうした?殴らねぇの?ん?」
自身の拳と俺の笑顔を交互に見てヘラヘラした顔で拳を下げ胸ぐらを掴んでいた手もゆっくりと離した。
「い、いやぁ、殴らないっすよ!!
あ!俺らこれから用事があるんで……失礼しまぁーーーーすっ!!!」
じりじりと俺から距離をとり、何もわかっていないだろう子分を引っ張って逃げてった。
すごい勢いで逃げてったやつらの後ろ姿を確認して、未だコンクリートの上に座ったままのあの子に手を差し伸べた。
「大丈夫か?怪我はしてない、よな?」
「は、はい!」
お礼と幼い笑顔を見せた女の子にあっさりと心を奪われた。
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時