大倉くんのヒロインになりたい。

79.それから ページ30

.









季節は冬。









わたしはいつもの花屋でバイト中。




大倉くんや安田くんは、変わらずたまに花を買いに来てくれる。









大倉くんと一花ちゃんがどうなったのかも
本人から…直接聞いた。









一花ちゃんから電話がかかってきて









一〈忠義のことよろしく〉








と…言われた。
たしかに私は大倉くんが好きだけど
大倉くんが今、誰を思ってるかなんか…









「(知らないしなあ…)」









というか…好きな人自体、いるのかな？









冬…クリスマス…あと一ヶ月後…早いな








「寒っ」









わたしは、寒いということを口実に
スタバに行く。大倉くんのいるスタバに。









.








.









「わぁ、新作とホワイトモカどうしよう」









毎度悩むんだよね。
今日は大倉くん…いない日なんだ。
残念。









「ホワイトモカのホット、ホイップ多めで…」









注文をし終わった後、裏からまさか
大倉くんが出てきた。









「(大倉くんだ！)」









久しぶり…顔見るの。
最後に花を買いに来てくれたの１ヶ月前だもん。






LINEも電話も、する訳じゃないし…。







久しぶりの大倉くん…かっこいいなあ…。
注文…大倉くんにして欲しかったな、と思いつつ









「(なんか忙しそうだし、、スタッフの人と話してるから、挨拶は出来ないな)」









と思って、奥に座る。そしたら









男の子「あ！！Aチャン！
ねえ俺覚えてる！？飲み会の時の！」




「…えっ…と」




男の子「斗真だよ！とうま！」




「あ…！」






自称、生田斗真似だと言い張るこの人。
思い出した思い出した。話面白いから
LINE交換した人だ。







男の子「クリスマスさ、俺らの大学と他の大学呼んで、パーティするんだけど来ない！？」









クリスマス…予定ないし…









「うん、いいよ」









男の子「大倉の大学にも声かけてるんだけど来てくれるかなあ〜、大倉人気だから盛り上がるんだよね(笑)…ね！わかるでしょ」









「あは、うん(笑)」









…来るのかなパーティ。









大『…、』









大倉くんがこの時
私たちを気にしながら注文されたものを
作ってたせいで、普段ミスなんか滅多にしないのに
間違った商品をお客さんに渡しそうになってた事なんて





知らなかった。

SNS開設のお知らせ。→←78.幼馴染(t)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す