【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ47)

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＊四十六霊＊～むちゃなお願い事～ページ47

森精「……という、訳なの」

アタシは、ご主人がロー様の事を好きだという事以外をこの人に話した。

森精「……それでロー様、お願い事があるの…」

ロー「……何だ」

森精「ご主人を、この森から出してほしいの」

アタシの言葉に、分かりにくいけどロー様は驚いていた。

ロー「……どういう意味だ？」

森精「むちゃなお願いは、自分でも分かってるの…でも、このままじゃあきっと……ご主人は自由になれないの…」

ロー「…？」

ロー様は、訳が分からないと言いたげな表情を見せた。

森精「ご主人、記憶が無いって言ってるけど…完全に忘れた訳じゃないの…

…ただ、その事を思い出してほしくない人が居るの。その人が、ご主人の記憶の一部をもぎ取ったの…」

ロー「…お前、そいつを見たのか？」

ロー様の言葉にアタシは首を横に振る。
そして、衝撃の言葉をアタシは口にした。

森精「アタシは見てない……っ、けど……

.

.

ロー様の妹の…っ、レイ様なら…見ているの」

ロー「！！」

ロー様は、驚きを露わにしていた。それは、当然の反応だった。

敵である、ましてや自分を恨んでいる妹がその事を見ているのだから。

森精「…レイ様に、会ってその事を聞くという方法もあるけど…きっと、話してくれないの…

となると、後はご主人から消えた記憶が最後の望みなの」

ロー「……だから、この森からレイナベル屋を出せと…」

森精「……もしかしたら、ロー様の記憶も……同一人物かもしれないの…っ」

アタシがそう言った少し後に、シャチ様が現れてロー様を呼びに来た。

シャ「船長、そろそろ船に戻ろうとベポが…」

ロー「……あァ…分かった」

森精「え…っ、あの…さっきの話…っ」

背を向けてシャチ様に着いていくロー様に、アタシは声を掛けた。

ロー「……考えといてやる」

ロー様の素っ気ない言葉に、アタシは少しだけ安堵した。

取り敢えず、アタシは自分が出来ることをやったの。あとは……

森精「…ご主人が、どう決断するか…なの…」

アタシは誰も居ない森で、一人そう呟いた。