【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ40)

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＊三十九霊＊～殺した理由～ページ40

レイ「……殺した理由？」

私は頷きチラリと横目で見ると、私達を見守るトラさんや白熊さん達がいた。

レイ「……ふふっ…あはっ、あはははっ！！」

するといきなり笑い出すライナーに、私は身震いし後ずさった。

レイ「それ聞いてさ、貴女に何のメリットが？」

A「…ただ、理由を聞きたいだけよ」

レイ「良いの？あたしは別に良いけどさ」

A「…ええ、良いから。教えて」

なかなか口を開こうとはしないライナーに、しびれを切らそうとした時だ。

レイ「…………命令よ」

ゆっくりと、ライナーは口を開いた。

A「…え？」

レイ「“あの人”の命令は絶対だから、あたしは貴女の姉を殺すしか無かった…それが理由…」

A「…それじゃあ、今回も“その人”の命令で？」

レイ「ええ、そういう事」

ライナーは頷き、私はただ彼女の冷たい瞳を見つめるだけだ。
すると不意にどこからか、電伝虫の鳴る音が聞こえた。

レイ「ｶﾁｬ)…はい、レイです」

その音の場所はライナーの懐からで、彼女はそこから電伝虫を取る。

レイ「はい…………えっ！？戻れってっ、どういう事ですか！？」

A「！！」

レイ「…っいや、ですがっ……！！っ…………分かりました……従います…っ」

電伝虫を切ると、ライナーは苦しそうな笑顔で私とトラさんを交互に見た。

レイ「…戻れって、言われちゃった…行かなくちゃ」

ロー「……レイ」

黙り込んでいたトラさんが彼女の名前を呼ぶと、ライナーは顔を歪ませた。

ロー「…おれが、憎いか？レイ…」

こんなにも辛い声を出すトラさんに、私の胸はズキリと痛みの音を立てる。

レイ「…憎いに決まってるじゃん…っ、ラミは優しいから……寧ろ、“平気だよ”って言うよ…けどね、あたしは違うの…っ」

ロー「……」

レイ「あんたを殺す為に、あたしは優しさを捨てた…あの子の仇が討てるなら…優しさなんて、要らない…」

A「……」

彼女は辛そうに、悲しそうに声を出し、トラさんに自分の思いを伝えていく。

レイ「…………でもっ……義兄様…っ」

少しの沈黙を彼女は破り、トラさんに向かって言葉を発する。

彼女の頬からは、コロコロと涙が伝っていた。

レイ「っ…どうして……っ？どうして、助けに来てくれなかったの…っ？ずっと…っ、ずっと待ってたのに…！！」

ロー「！！」

レイ「…………もう時間…っ、じゃあね…

義兄(にい)さん…っ」

彼女はそう言い残し、ふわりと空へと姿を消した。