【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ35)

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＊三十四霊＊～隠れた“２つ”の恋心～ページ35

～ＮＯside～

レ/森「はあ！？／ええっ！？声が出なくなったぁ！？」

A「………っ…」ｺｸﾝ

シャチ達はAが用意した部屋で待機させ、彼女とローはレム達とリビングにいる。

理由は、声を失った事をレム達に伝えなければならないから。

そして、その理由にレム達は驚きを見せた。

レム「な、何で言ってくれなかったんだよっ！主！」

A《言いたかったけど、言ったって同じ事になるじゃない？》

森精「で、でも！じゃあどうして、ロー様には話したの！？」

A《話したんじゃないわよ、勝手に診察してきて…》

そう、ノートに自分の思っている事を書いていると

レム「……じゃあ、手当てもトラファルガーが勝手にやったのか？」

レムのその言葉が、彼女の頭上に降ってきた。

Aの手は書く事を忘れていたが、頭は確かに横に振っていた。

レム「………そうなのか？トラファルガー」

ロー「…………あァ」

もちろん、嘘を付いているつもりは無かった。

「トラさんの勝手」と言えば嘘になるが、ローにやってもらったのは事実だ。
「彼が医者だから、やってもらった」そういう理由で言う事も出来る。

しかし、何故自分は素直に彼にやらせたのだろうかと…Aは密かにそう思っていた。

それは、部屋の隅で一部始終を見ていたローも思っていた事。

女を興味が失せる程相手にしてきた彼でさえ、彼女に抱く気持ちに戸惑っていた。
それはAも同じで、自分でも分からない気持ちが乱暴に心を暴れている。

彼らは相手の事に敏感ではあるが、自分の事には鈍いのだ。
だから、自分の心に恋心(・・)という気持ちが芽生えていた事にも気付かない。

否……もしかしたら、彼らは気付かぬ間に…隠しているのかも知れない。

すっかり慣れてしまったこの時間との別れは、必ず訪れてしまう。
お互い好きだと伝えてしまえば……離れたくない気持ちが強まってしまう。

Aは、誰にも気付かれない自分の心で…一人、怯えていた。

そして、そんな彼女に……護衛とは違う眼差しが向けられている事に…誰も気付かなかった。