【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ20)

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＊十九霊＊～昨日の出来事～ページ20

～ＮＯside～

ロー「あいつらの前で“トラさん”はやめろよ」

昨日の夜分、Aの部屋に向かう際にローはそう言った。

A「あら、どうして？」ｸｽｯ

ロー「後々の事を考えると、めんどくせェからだ」

A「成る程ね…まあ、いいけれど…

何故、貴方は私を名前で呼んでくれないの？」

ロー「あ？」

話をしていると、Aはいきなりそう言ってきた。

A「私のことを「お前」ばかり言って、私だけ貴方をそう呼ぶのは少しズルくない？」

ロー「…チッ、だったら何て言えばいい…」

A「名前で呼んでちょうだい?？」

Aはサラッと、清々しくそう言う。ローは驚いた顔をし、彼女を見た。

ロー「……はっ？」

A「別に驚くことじゃないでしょう？私のことを名前で呼んでくれたら、“トラさん”とは言わないから」

ロー「……慣れるまで時間が掛かるが？」

A「平気よ、呼んでくれればいつでもいいわ。

にしても貴方…」

ロー「…？」

そう言うAはゆっくりとローに近づくと

A「酷い隈ね、寝不足なの？貴方」

彼の目の下を親指で擦りながらそう言い、ローの顔は赤く染まっていった。

それもそのはず、今Aは彼を上目遣いで彼を見つめているのだ。
しかも相手は美女、こんなにも無防備な女が他にいるのだろうか？

A「？顔が赤いわよ、熱でもあるの？」

ロー「！な、何でもねェ…！////」

そう言うと目の前の彼女の体を、ローは慌てて引き離した。

A「？おかしな人ね…」

彼の様子に気づかなかったAは、また歩き出した。
そしてAの部屋が見え始めると、くるりとローの方に振り向く。

ロー「？なんだ…」

A「…しゃがんで？」

ロー「…あ？な

A「いいから」

……はぁっ」

ローはAに言われた通り、壁に体を預け少しだけ腰を下ろす。
Aは満足そうに微笑むと、ローに近づいた。

ロー「…これが何の

Ｃｙｕ☆

……は？」

一瞬だけ、ローの思考回路が停止した。

だがすぐに状況を把握し、ローの顔はみるみるうちに赤く上昇する。

ロー「て、てめ…！なにやっ…！！/////」

A「約束を守る為の軽い契約みたいなものよ、難しく考えないで？」

あっさりとした様子でAはそう言い、自分の寝室へ向かった。
一方ローはというと、数分の間はその場で硬直したままだった。