【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ18)

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＊十七霊＊～懐かしいのに、憶えのない辛い夢～ページ18

～ローside～

夢を見た。ガキだった頃のおれと、顔が霞んで見えない少女が話しているところ…。

？？「ローってさ、夢ある？」

ロー「夢？」

？？「うん！私はね、海に出たいの！！知らない人達と仲良くなって、仲間をつくって！色々な島に行ったりして旅をする！それが私が叶えたい夢なんだ！！」

少女は空にキラキラした瞳を向け、力強くそう言う。

？？「で、ローの夢は？」

ロー「……考えたこともなかった」

思っていない言葉を、ガキの頃のおれは言う。

？？「そっかぁ…そうだ！ロー、私の船長になってよ！」

ロー「え？」

？？「私がローの仲間になって、ローが船長になって一緒に海に出るの！！そうすれば、ローにも夢ができるでしょ！？」

少女は目線をガキのおれに向け、小指を立てると前に出す。

？？「必ず一緒に海に出よう！ね、約束！！」

にこやかな笑顔で、おれに言う“あいつに似た”少女。

ロー「……分かった、約束だ」

おれも小指を立て、少女の小指に絡めると少女は嬉しそうに歌を歌った。

？？「ゆーびきりげーんまん♪嘘ついたらはーりせんぼん、のーます！ゆーびきった♪」

歌い終わると、少女は満面の笑みでおれを見る。
するとおれは、思ってもないことを口にしていた。

ロー「なァ、お前…名前はなんだ？」

少女は一瞬だけ顔を歪めると、すぐに笑顔になる。

？？「私は…――――だよ？」

ロー「えっ？」

すると辺り一面、真っ暗な闇に覆われた。

？？「ごめんね、もう時間みたい」

おれは少女が、どんどんと遠のいていくことに気づいた。

ロー「おい待て！！」

走っても走っても追いつけない。それどころか、追いつく気配すらない。

？？「バイバイ、ロー……またね」

ロー「待て、頼むっ！！」

？？「また、会えるから…」

そして少女は、深い闇の奥へと姿を消した。

ーーーーーーー

「ト、ラ…さん…！トラさん！！」

ロー「ッ！！？」

目が覚め、とそこにいたのは心配そうにおれを見るレイナベル屋だった。

A「トラさん、大丈夫！？」

ロー「ハァ…ハァ…夢か…？」

A「大丈夫！？酷くうなされていたのよ！？」

ロー「…そう、か…」

懐かしく感じる、なのに知らない夢だった。
名前も分からない、少女との約束。

そいつと約束した記憶はあるのに、その誰かが分からねェ…。

誰なんだ？あいつは…。