【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ13)

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＊十二霊＊～意味が分からない～ページ13

A「……」

ロー「……」

この長い沈黙をどうにかして破りたいものの、言葉が見つからない今。

私は人参を切っています。←

A「(……どうしてこんなにも焦っているのよ私は！？今まで一度も、こんな気持ちになったことないのに…！)」

そんな気持ちの私は、とりあえずトラさんに視線を向けてみる。
すると彼の顔がこっちを向き、目が合ってしまった。

私はすぐに人参に目を戻し、淡々と手を動かす。

A「(どうしよう、絶対変だって思われてる！…いやだ私、何恥ずかしがっているの…！？)」

A「……いっ！」

頭の中でそんなことを考えていると、指に痛みが走ったことにすぐに気づいた。

いやだ、私ったら…人差し指を切った…。

ロー「？どうした…」

沈黙の中、初めて口にしたトラさんの言葉がそれだった。

私は悟られないように、平然とした口ぶりで

A「平気よ、ただ指を切っただけ……あ」

言おうとしたが、慌てていたのか口が滑って状況を言ってしまった。

ロー「…なんだと？」

落ち着いていた彼の眉に、再び皺が寄る。

A「(怒られる…！？)」

しかしトラさんは、私が考えていたことと全く違うことを行動に移していた。
トラさんはソファーから立ち、私の方に近寄ると目の前まで来て止まる。

A「…な、なに……？」

するとトラさんは、黙ったまま私の怪我した方の腕を掴み

ロー「…少し痛むぞ？」

そう言い、切った指を水に濡らした。

A「いっ！？」

あまりの痛さに涙を浮かべ、顔を歪めてしまう。

ロー「我慢しろ、すぐ終わる…」

水の流れる音が響く中、優しさの混じった声でトラさんは私にそう言った。

暫くしたあと彼は水を止め、指を拭いてからどこから取ってきたのか絆創膏(ばんそうこう)を傷口に貼った。

ロー「ほら、終わった」

A「……ありがとう…」

そう言うと、トラさんはにやりと笑いこう言った。

ロー「お前、結構間抜けなんだな」

A「！わ、悪かったわね…！」

本当に、意味が分からない。この人の考えていることが…。

A「っ……さてと！夕食の続き、再開しなきゃ！」

ロー「もう切るんじゃねェぞ？」

そう彼は、楽しそうにクスクスと笑うと私に言う。

心配して言っているのか、からかって言っているのか。

A「わ、分かってるわよ！！」

不覚にもトラさんの笑う顔にドキッとした私は

意味が分からない。