【ONEPIECE】森の精霊美女と死の外科医 (ページ11)

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＊十霊＊～驚きと冗談と条件付きで～ページ11

ロー「おれの船に乗る気はねェか？」

口が滑って言ってしまった、この言葉。

それを聞いたレイナベル屋は、驚きと焦りが入り混じった表情をしてわたわたと喋った。

A「む、無理よ！私はこの森から離れることはできないわ！！」

ロー「拒否権はねェ、と言ったら？」

A「それでも…やっぱり断るわ！！」

ロー「……」

そう言うと、落ち着いたレイナベル屋はゆっくりと息を吐き呟くように喋る。

A「…誘ってくれるのは凄く嬉しいわ。けれど、私はこの森や精霊達のことが好きなの。離れることなんて、できないのよ」

ロー「……なるほどな」

そう言うと、レイナベル屋は驚いた顔をしてぱちくりとおれを見る。

ロー「お前にとって、この森がどれだけ大事か分かった。……あの言葉は冗談だよ」

勿論、冗談で言ったつもりはない。

気が緩くなってただろうが、あんな笑顔に気をとられて口が軽くなっただろうが。
「あいつを連れて、仲間にしたい。」その気持ちに、嘘はなかった。

A「トラさん……あれ冗談だったの？てっきり本気で言ってたのかと思ったわ」

ロー「……は？」

平気な口ぶりで喋るレイナベル屋に、今度はおれが驚く側だった。

A「あははっ、冗談で言ってたに決まっているじゃない。

確かにこの森や精霊達のことは大事だけれど、貴方の勧誘には心から嬉しく思ったのよ？

それに、「貴方達が気に入った」ってさっきから言っているしね♪」

ロー「(…なんなんだこいつ、意味が分からねェ…)」

心の何処かでそう思った刹那、レイナベル屋はシャチ達(あいつら)に聞こえないように笑い出した。

A「ふふふっ…思ったとおり、貴方面白いわね…いいわ。私の命、貴方に預からせる」

ロー「な…！」

A「ただし、条件付きでね？」