7.新人戦 ページ32
『た、確かにそら俺にとっちゃこれ以上ない正攻法やけど……――
カッコイイとこ見せます!!って感じバリバリやん。ちょっとガツガツいきすぎとちゃうか?』
『んもう、蔵りんたら。本真に、本命の子には奥手やね?♡
あんなぁ、スポーツをする男の子の姿は、ムテキなんよ!!
それをガツガツ見せていくなんて思う女の子なら、所詮それまでってことやでぇ?
大丈夫、自信を持って誘ったらええんよ♡』
―――
―
「――へぇ、毎晩そんな遅いん? 俺、11時越したら眠くてもうアカンわ」
『白石くん健康そうだもんね。部活もやってるし、それくらいがいいよ。』
あの日曜日以降。
赤咲さんとは2、3日おきの晩に、短い通話をするようになった。
予定を決めるという用事がなければ掛けられなかったのが変わって、他愛ない普通の話。
学校でのこと、勉強のこと、部活のこと、家族のこと……――
尽きない話をしている内に、図らずも彼女のことをたくさん知って、その度に嬉しくなって。
でも、今日は久しぶりに、予定を聞きたいんや。
『ああ、そしたらもう眠い? 切ろうか?』
「えっ、ちょちょ、ちょい待ち!!」
『ん?』
「あー、えっとな。自分、テストはまだ?」
『え? ああ、うん。その前に文化祭があるから、もうちょい先』
「あー、そしたら準備とか忙しいかな……20日、空いとる?」
『はつか……うん。大丈夫だよ。何かある?』
案外すぐ頷かれ、一瞬鼓動が大きくなる。
ベッドに腰を掛け、膝の上の拳をギュッと握った。
落ち着け。ここまで訊いて何もないとは言えへんで。
「……その日、テニスの新人戦があるんやけど。
赤咲さんさえよければ、見に来いひん?」
――言った。
後は返事を待つのみや、と瞼を閉じようとすると、それより先に彼女が。
『行きたい!! え、白石くんが出るんでしょ? 全然関係者じゃないけど、行ってもいいの?』
その明るい声に、想像以上に気持ちが緩む。
もちろんそれでプレイの気力を左右するつもりなんて毛頭ないけど、やっぱ嬉しいもんや。
「おん、気軽に入れるから」
『あ、そしたらその日……私も、部活動していい?』
「ああー、そういうことか!! 勿論やで。ごっつええ写真撮らせたる」
『ほんと? ありがとう。……楽しみにしてるね』
よっしゃ、目標達成や。
安堵してベッドの中に潜り込む。
『それじゃ、おやすみ』
「ん、おやすみな」
この瞬間を寂しいと思わなくなって久しい。――赤咲さんと出会ってから、だった。
*
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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