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「あー、せやな。忘れてもうた、はは。」
軽く笑う俺を、プルタブを引きながら訝しげな目で見る赤咲さん。
うっ、この真意はわかるんかいな……。
苦し紛れにももう一段誤魔化しておこうかと口を開くと、その前に、ぴとり。
「……えっ?」
頬に触れたココアの缶。本真、まだ暖取れるくらい温かくてよかった……じゃ、なくて!!
「な、何しとるん?」
「んー? 何となく……白石くんも寒いかなって。」
「はは、ありがとう。確かにあったかいわ。」
な、なんや、何となくか……。
若干苦笑も含んだ、しかし大半は嬉しい笑いが零れると、彼女は缶を離した。
「……白石くんは、」
「ん?」
「……いや、やっぱりなんでもない」
――そないな赤い顔で、微笑まれたら。
なんやねん気になるやん、なんて野暮な追求、できへんやん。
「あ、そういえばね……――」
プラネタリウムで、俺が横目で見たときも。
赤咲さんは綺麗な夜空を見上げることもせず、固く目を瞑っていて。
( 意識して、くれとるんかな )
なあ。
いつかもっと近い距離で、ベンチに座ることができるやろか。
そんなことを思って、今は、まだ青い木々の音に囲まれながら。
ココアを飲む彼女との、何気ない話題を楽しんだ。
―――
―
「ん、飲み終わったん?」
「うん。あー、あったかい」
「はは、そらよかったわ。……そいで、な」
カラン、とゴミ箱に缶を入れる。
白石くんは何やら言い淀む。何そのモジモジした感じ。カッコいい上にカワイイ仕草とか、ズルい。
「向こうにな、……温室があったんやけど」
「……ふふ。いいよ。ココアのお礼に、どこにでも付き合う」
「んん〜っ、おおきに!! ほな行こか!! ……あれ」
「ん?」
「なんでカメラ仕舞うん?」
「えっ? だって……嫌じゃない?」
「なんでやねん、嫌やない。
温室の植物は手込んでて綺麗なんやから、いくらでも撮ったらええやん」
「――！」
「ま、んなこと言って、俺が撮ってほしいだけなんやけどな!!」
さ、行こうや。
そう言って笑って先を行く彼に、これは本当に現実なのかと今日何度目かの不安に陥る。
しかし。
着いてこない私に振り向いて、『どないしたん?』と手を握って引いてくれる白石くんに。
あ、やっぱり現実じゃなさそう、なんて。
「って白石くん、また手……」
「お? ああ。あったかくなっとんな、よかったで!!」
「ありがと……ってそうじゃなくて!!」
*
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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