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「な、赤咲さん。甘いもん好き?」
「え? あー、うん、好きだよ。チョコとか。」
「そか。じゃあ、ちょっと。ほんのちょっとだけ待っとってな。」
「えっ!? あ、白石くん?」
歩いてきた過程で、自販機があったのはちゃんと覚えとる。
2台並んでいたうち、1台はホットのメニューが充実していたことも。
ふふん。かつて聖書と呼ばれた俺が、みすみすリードされてばかりじゃおられへんで。
―――
―
そんなわけで。
あっつくて、たまに片手に持ち替えないと火傷しそうな缶を持ちながら、元いた方へ戻る。
流石にあれは唐突すぎたかな。ちゃんと謝らんと……。
それでもなるべく早く行って帰ってきたけど、何して待っとるやろか。
意気揚々と進む足が、再び彼女が見え始めた瞬間、ふと止まる。
――何をして待っていたか。その答えは、一目でわかった。
彼女の片手は大きなレンズを押さえ、もう片方はいつ動かすかという緊張感を以てシャッターの上に置かれている。
……息、しとるんか、アレ。
そう思ってしまうくらいの静止に、時間が止まったような錯覚さえ覚える。
けど、そないな動揺の中でも。
ファインダーを覗き込む真剣な目は、素直に綺麗やなって、惹かれてしまった。
ああ、やっぱり、知れば知るほど……――
やがて、カシャッと小気味いいシャッター音が鳴る。
その後赤咲さんが満足げにカメラを下げたのを確認し、漸くその後ろに回り込んだ。
「……白石くん?」
――が。
作戦は成功寸前で大崩落。寧ろしてやったり、と言いたげな赤咲さんが振り向く。
「マジか……いつから気付いとったん?」
悔しいが、今回は負けや。
落胆の溜息をひとつ吐いて、彼女の隣に座り直す。
「撮ってる時。近づいてきてるなー、立ち止まったなーってわかったよ。
そんな集中してるように見えた?」
「メッチャ見えたで!? 気圧されたわ〜。カメラも、なんやゴツイし。」
「え、このミラーレス? あー……まあ普通のデジカメに比べればそうか。
でも、一番手軽で画質いいから。」
お。ええやん、この話題。
彼女が少しばかり饒舌になったのを感じて、心の中でガッツポーズする。
せや。それや。
俺の止まらない毒草語りみたいに、赤咲さんの語りも聞きたいんや!!
*
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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