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それから、ひとつひとつの展示の前に立ち止まって、色々な話をした。
床に広がる大きな時計板に驚き、柱と一体化した水槽に泳ぐ尾ビレの綺麗な金魚に感嘆し、厭にリアルな人形に見つめられ、薄暗い中ライトの光の上に浮く毒性の花に魅了されながら……――
展示はどれもこれも物凄かったのに、もう少しで出口だろうと言うところに差し掛かる俺たちは。
なぜかふたりして、肩を落として。
「うぅ……」
「アカン……」
「や、やっぱり嫌だったよね。ほんとごめん」
「は、えっ? 何が!?」
「え、ほら、その……あの後また腕掴まっちゃって……」
「いやいやいや、全然謝る必要あらへん!! それに俺はえ、」
必死の弁解に紛れて、ええ思いさせてもらったしな、なんて言いそうになるのを直前で堪えた。
基本と完璧はどうした白石蔵ノ介!! 落ち着くんや!!
「え?」
「え、ええんや、気にしてへんし、嫌なんて尚更思っとらんで。」
「……本真?」
「ぷっ、そうそう、本真や本真。人形もごっつリアルやったしなぁ。
それに、俺もまた自分だけ喋りすぎてしもたって反省しとるから、お互い様ってことにしとこ」
「喋りすぎ――ああ、“毒の花園”のところ?」
「せや。毒草のことになると止まらんねん……引いた?」
「いや、全然。寧ろすごく面白かったよ。」
――後ろから来た男性2人組は、あの語り口を見て若干足早に通り過ぎていったけどなぁ。
そんでも赤咲さん自身にそう言ってもらえるなら、なんでもいいわ。
「見た目は綺麗な花なのに……文学者ってそういうの好きそうだよね。」
「おっ。じゃあ俺は文学者の素質もあるんやな」
「ははっ、読書しない文学者か。新しいね。」
――こうやって、俺がいつもの調子になるほどよく笑ってくれるから。
「あっ、……ここが最後の展示だね」
もうちょっと長く続けばいいとか、まだ終わらんといてって、心の底で願ってしまう。
けど、最後の展示は、そんな懇願すら取り払ってしまうほど凄くて。
『とても簡単なことなんだ。
心で見ないとよく見えない。大事なことは目には見えないってことさ』
少年の声と共に、足元から暗く染まっていく空間。
そこにひとつ、またひとつと星が灯り始める。配列は恐らく、現実のものとは違う。
より不規則で不可思議な三等星の散らばりに、彼女も俺も、只管目を奪われていた。
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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