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足を動かしつつ、パスケースを取り出し写真を眺める。
……俺らの引退時に撮った、集合写真。
2人の後輩は今年も頑張ってくれて、全国2位にまで上り詰めてくれた。
しかし、自分の不手際で夏休みにあっちに帰ることができず、電話で祝うだけになってもうてな。
「財前、金ちゃん……」
財前がすごい悔しそうな声しとったけど、俺もごっつ悔しかった。
金ちゃんにも何で帰ってこないんや〜白石に会いたいわ〜ってゴネられて、そんときばかりは毒手で黙らせるなんてできんかった。
「あっ、すんませ、」
後ろからぶつかってきて謝りもしないサラリーマンも、大阪やったら少し違うのか、なんて。
決してそんなことはないだろうに、故郷を贔屓目で見てしまうのも、仕方ないことなんやろうか。
ずり落ちそうなほど無気力に、反対方向のホームへ階段を下る。
――俺もな、帰りたいわ。
「あのっ」
自分がこんなにホームシックになるなんて、自分でも思いも寄らなかった。
後輩らから見れば尚更やろなぁ。
「すいません、あの!!」
誰呼んでるんやろ、まさか俺?
朝からナンパなんて、東京の女の子は元気やなぁ……。
「ま、待って！」
振り向きもせずホームへ下りきり、適当なところで待つことにする。
しかしその子は諦めてなかった。うう、対応せなアカンのか。苦手やねん、そういうの……。
「堪忍し……」
「よかった、追いついた。これ、落としましたよ。」
「……へ?」
「え? こ、これ、……そう、ですよね。勝手に見ちゃってすみません。」
その子は、照らし合わせるように顔写真と俺を交互に見る。
――そう。それは間違いなく、生徒証の入った俺の生徒手帳やった。
「…………めっちゃはずかしいやん…………」
「えっ、あ、ほんとにすみません。全部忘れますから……というかそもそも覚えてないので、」
「いやいやちゃうねん、君はなんも悪ぅない。こっちの話。……本真に、ありがとう。」
「いえ。失くしたら困る物ですから」
こっちは呼びかけられても無視した身だというのに、全然気にしていない様子に、罪悪感ばかりが募る。何や、悪いことばっかや無いやんか、今日も、東京も。
はぁ、全く関係のない子に八つ当たりみたいな真似して、最低やんな。
「じゃ、私はこれで……」
「お礼、」
「へ?」
「お礼、させて。こんなんじゃ済まされへん」
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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