1. 出会い ページ1
「アカン……また迷ってもた……」
東京の某駅――と言っても、在来線が一本しか通っていない、若干小さな物だが――で。
テニスバッグを抱えた青年は呟いた。
地元であるあの喧しい都市では全く感じなかったのだが、いや、東京のそれがそこより数倍入り組んでいるせいなのかどうなのか、自分は若干線路上に弱い傾向があるようだ。
余裕を持ってきたからいいものの、練習試合とは言え……溜息が収まらない。
というかどうしていつもいつも電車何本も乗り継ぐような遠いところでやるねん!!
なんて、脳内で最高にカッコ悪い逆ギレをかましながら、もう一度トドメに溜息を吐く。
――――――東京に来てから、もうすぐ半年になる。
此処に来る過程は、まあ、色々だ。
要は、父親と同職に就ける勉強をするために、此処が一番効率的だったという話で。
姉も既に上京していたし、氷帝の従兄弟とともに医学部を目指す謙也も一緒で。
何とかなるやろ、テニスはどこでもできるしな。
( 甘く見とったなぁ、 )
別にクラスで友達ができんかった訳でもなければ、何かが上手くいっていないわけでもない。
東京でも難関に分類される学校の中では、勉強も頑張ってる方やないか。
部活だって、全国3位に導いた主将として注目されて、それなりに大切にもされとる。
けど、なぁ。
この関西弁とか、端的に言えばこっちのノリ、とか。未だによく掴めない。
そんなこんなで大人しくしとったら、そういう人みたいなイメージが付けられてもうて。
違うクラスの謙也はその辺上手くやったようで、四天宝寺の時とだいたい変わらんキャラで、相変わらずスピードスターが云々言うてる。
おかしいな、なんで謙也に出来て俺に出来へんねん。
そんな不器用じゃないはずなんやけど、俺。
それでも、告白してくる女子はあの頃より増えた。あの頃、以上に俺のこと何も知らん奴ばっかや。
頑張って勇気出してくれるんは嬉しいんやけど、話が飛びすぎやねん。
せやから、もっと互いに知っていこうやって断ったら、避けられるようになるし……。
なんかもうほんま、疲れたなぁ。
ああ、取り敢えず、反対の線路ので、元の駅に戻った方がわかりやすいかな。
どんだけかかるかは、正直わからへんけど……
自業自得の不幸に半ば自棄になりながら、階段を上がり始めた。
*
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美音(プロフ) - リューヌさん» 笑顔動画でもこちらでもありがとうございます！ 応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2016年12月6日 13時) (
レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
リューヌ(プロフ) - 凄く面白かったです！ 更新頑張ってください！応援してます！ 後、某笑顔動画の小説も読ませていただいてます！ どちらも頑張ってください！！ (2016年12月5日 18時) (レス) id: d26bccd53e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです、頑張りますヽ(*＾ω＾*)ﾉ (2016年11月30日 21時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてますね(*´-`*) (2016年11月30日 5時) (レス) id: c3991824f1 (このIDを非表示/違反報告)
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