第70話 ページ25
翌日。
「まずは貴様らの適性を見る！これが出来ない奴は、囮にも使えん！開拓地に移ってもらう！」
早速始まったのは、立体機動装置に乗ってバランスを取る練習だ。実際の空中移動に比べれば簡単な部類に入るが、初期段階からその素質は見て取れるのだろう。新兵をふるいにかけるのにはうってつけな訓練と言える。
ルイス曰く、立体機動には、『強靭な体力と脚力、空間把握能力、パニックに陥らないための精神力』が必要らしい。その点、ミカサは完璧だ。重心のブレが全くなく、安定している。また、先日の入団式で衝撃を与えたスプリンガーやブラウン、そして例のキルシュタインなど、今年の兵士は運動能力の高い者が多いようだ。
かくいう私も、この訓練にはそれほど苦労しなかった。例えるなら、手を使わずに、足のつかない高さのブランコに腰掛けるようなものだ。ある程度の運動能力があれば、コツを掴むのは難しくない。
(…はず、だけど…)
ちらりと横目をやる。
「何をやっている、エレン・イェーガー！上体を起こせ！」
隣の幼なじみは逆さになり、生気を失っている。くすくすと嫌な笑いが起きる中、キルシュタインは「ざまぁ見ろ」とでも言いたげにニタニタとしていた。2人の間に、何かあったのだろうか。
結局、その日の訓練が終了しても、エレンがまともに立体機動装置を扱えることはなかった。しかし、明日は適正判断の試験がある。合格できなければ、もちろん開拓地行きだろう。私、ミカサ、アルミンの3人は、夕食の時間まで、エレンの特訓に付き合うことにした。
「基本通りやればできるはず、うまくやろうとか考えなくていい。前後のバランスに気を付けて、腰巻と足裏のベルトにゆっくり体重を乗せる。」
「落ち着いてやればできるよ、僕にだって出来たんだから。」
ミカサとアルミンの言葉に、エレンは心を決めたようだった。
「…よし、今度こそできる気がする。上げてくれ、アルミン」
アルミンがギリギリと取っ手を回す。エレンの腰に付いた紐が少しずつ持ち上がっていき、かかとが地面から上がっていく。しかし体が5cmほど浮いたかと思うと、
「うわぁっ！」
ガンッ！
「エレン！」
幼なじみは前方に倒れ、地面に頭を打ち付けた。
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美翔(プロフ) - ニャー♪さん» コメントありがとうございます！ちまちま伏線を仕込んでいたりするので、楽しみにしていてくださいね♪ (2015年2月7日 23時) (
レス) id: 25a2966a5a (このIDを非表示/違反報告)
ニャー♪ - とても面白いです！これからの展開が楽しみです♪ (2015年2月7日 22時) (レス) id: 0827b25480 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 小悪魔女子さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ (2014年12月25日 15時) (レス) id: 45953354bd (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔女子 - 物凄く面白く楽しませてもらってますそして私は、応援してます！ (2014年12月24日 1時) (レス) id: 8999ac6131 (このIDを非表示/違反報告)
夏実(プロフ) - 頑張って下さい!!ずっと応援しているので！ (2014年11月29日 23時) (レス) id: 129fe6e4a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美翔 | 作成日時：2014年6月11日 7時
