目指せ！華のモブ生活！【稲荷崎】

26話 ページ28

「でもよく分かったね」

美桜「何年友達やってると思ってるの。wAは無自覚かもしれないけど明らかに宮治の話多くなったし、その時の顔嬉しそうだし分かりやすかったよ？w」

まさか自分がそんなに分かりやすかったとは思わなかった。なんかすごい恥ずかしい。

その後少し話をして電話を切った。
(自覚したらこれからどうやって治くんと接していけばいいんだろう…)

日曜日はぼーっとしたまま終わり、好きなことを自覚して初の登校だ。
今までほんとになんとも思わなかったのに自覚しただけですごい緊張する。

なるべく平然を装って席に着く。

治「おはようA」

「お、お、おはよう治くん」

(違うだろぉー、平然とは？ねえ？自分大丈夫そ？キョドりすぎだわ)

治「なんや、そんな慌ててw土曜日はおおきに」

「え？うん、どういたしまして！」

治くんがいつも通りすぎてなんか落ち着いてきた。
全く関係ないがテスト期間の授業って凄いだるいんだよなあ。なんか帰ったあとも勉強するのに今もやんないといけないとかね…。

なんやかんやテスト当日になった。なぜ土日挟んでテストやるんだろう…。すごい時間を無駄にしている気がする。
テストが終わった。やっとこれで羽を伸ばせる。

治「やっと部活行けるわー」

「あ、そっか！今日からまた部活か！頑張れ」

今、稲荷崎のバレー部は春高予選を突破しオレンジコートの戦いに向け頑張って練習している。
そして私は今、春高を見に行くか行かないかで葛藤していた。

(春高行きたいな…。でも家で騒ぎながら見たい気もするし、いや向こうじゃ見られない角度から試合を見るのもいいよな…。ほかの推しも見たいし。)

なぜこんなに行きたいのに悩んでいるのか。
忘れているかもしれないが私はモブでありたいのだ。最近はもう手遅れな気もするが、あくまでモブでありたい。もし他の推しに会った時に私は理性をコントロールできるだろうか。

最近授業中こればかり考えていたからか

治「なんか悩み事あるんか？」
美桜「なんかなやんでるん？」

なんて聞かれてしまった。
その時はなんでもないと言ったがほんとにどうしよう。悩んでいるうちに終業式の日になってしまった。

(結局結論を出せないままだ…)

治「なあ」

「わっ！なに？？」

急に話しかけられて驚いた。

治「A、春高見に来てくれへんか？」

「え？」

まさか本人から誘ってもらえるなんて思っていなかった。

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