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第三十二訓〜五〜 ページ32






儚げな瞳で見つめる紫苑


葵「紫苑…お前は
















もうこの世にはいないんだよな」



コツコツ


ゆっくりゆっくり紫苑に足を進める




紫「…………うん、本当は僕死んでるんだ。
三年前ここから飛び降りた。
僕、やっと自由に幸せになれると思ったんだけどな…
霊になってまだこの世にいる…………」



コツコツ



葵「…………」

紫「三年間、何回も飛び降りて見ても、ここから離れられない…」



コツコツ



紫「そしたらさ、生きている人間が僕に触れて 死んだ僕を
救ってくれた…
僕より年上のくせに説得して腹が立って…」



コツコツ



紫「僕よりも自由で幸せで…不幸な僕を楽しませてくれた馬鹿だった」



コツコツ



紫「僕が死ぬ前にさ…」



コツン


葵「…………」



紫「そんな馬鹿に早く会いたかった。葵華」



ポタポタ

紫苑は涙をコンクリートに染みこませる



葵「ああ…俺も。…………救えなくてごめん。紫苑」





ザァッ


被っていたフードが取れて

俺の歪んだ顔が出てしまう。



紫「ふはッ。やっと顔がわかったわ お前ずっと隠してたもんな」










シュゥゥゥゥ


紫苑の体が虚空に消えていく


葵「紫苑?おい…」

紫『うん、僕 もう未練は無いから…成仏ってやつ。
葵華、ありがとうな。それと、勝手にすまんがお前は僕の友達一号だ。
光栄に思えよ』

葵「こっちのセリフだ」

紫『僕の夢…叶えてくれたこと忘れないからな‼』


葵「どーせ忘れるだろ…」



紫『うるせ…じゃあな










ありがとう___



葵「あーあ、渡し忘れた…」



俺の手元にはグシャグシャに握り潰された

紫苑との写真が残っていた













ーーーーーーーーーーーーーーーーー





ザッザッ


快晴で絶好のサボり日和


俺はサボりついでにアイツの元で歩く



ザ…


[一ノ瀬 紫苑]と書かれた墓に


葵「コレ…グシャグシャに濡れたからな 新しいの」





コト…



葵「俺のフードが取れた瞬間とか最悪だ…」

土「葵華ァ」

葵「あい、今行きますー」



ザッザッ



額縁の中の二人は、


笑顔で猫の可愛いらしい姿で写っていた





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餅原 葵(プロフ) - 書き忘れていましたが、久々の更新です。すみませんでした…。最近はヒロアカの方ばかり考えていたので… (2018年5月11日 23時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)
餅原 葵(プロフ) - 最近は調子がいいので沢山更新して行きます。楽しんでくれたら嬉しいです。 (2017年11月13日 11時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)
kuro - 続編おめでとうございます。これからの話も楽しみにしてます! (2017年11月13日 11時) (レス) id: 6c3a526fbd (このIDを非表示/違反報告)
餅原 葵(プロフ) - ありがとうございます。頑張ります。 (2017年11月12日 17時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 続編おめでとうございます。葵華のキャラが好きです!更新頑張って下さい!! (2017年11月12日 16時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水縹 葵 | 作成日時:2017年11月12日 16時

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