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第八話 ページ10






「可愛くなくなったなぁ…鈴は」

『どうも。僕も成長したんだ舐めないでくれるかな』

「成長?ほんの少しだろう…?」

『はい?』





太宰がニンマリと笑ってこちらを覗く

逃してはくれない、いやーな瞳だ




「私はさっき言ったよね」

『何を』

「_____君が“特一級危険異能力者”だという事を」

『それが何?』

「私は君の異能を無効化して_____異能特務課の記憶を戻すことが可能だ」

『!!?』




たらりと冷や汗が流れ始めた

僕が異能特務課…世界中の人間に異能を使用した_____その上私欲の為に使ったとなれば

僕はきっと処分確定の身だろう

太宰が記憶を戻せる…?それが事実なら今、劣勢な状況下にある



「私は君のことを熟知してるよ?この世で一番君の扱い方がわかる…
なにせ

_____君の教育係だったのだからね」

『…おい…確認で聞くが』

「信じてくれないなら結構だ。時間を取って悪かったよ…社長には報告しておこう」

『なっ…待っ』

「残念だよ。君を失くしてしまうなんて、じゃあね鈴」



素早い動きで喫茶店を出て行こうとする太宰を追いかける

なんて卑怯な奴なんだ…っ…

僕はそう悔しく思いながら、太宰の前に立った



「なんだい?話は終わったよ?」

『…っお前…』

「どーしたのかなぁ?」

『っっ…』





太宰はニコニコ笑っていた

わかっていたんだ。僕が断れないことを_____弱味を握った故に




『僕…を……探偵社員にし…ろ』

「教えたよね。人に頼む時は敬語だよって」

『〜〜〜っっ…』

「あー!もう行かないと!」

『わかったから』







僕は覚悟を決めた。

もうやるしかない!…と

眼前にいる僕が一生勝てるはずのない彼と久しくまっすぐ目を合わせる




鈴の蒼く意志を強く感じる瞳が太宰を突き刺す

太宰の蓬髪がクスリと笑って揺れた





『僕を武装探偵社員にして下さい』





この日から…僕の新たな奮闘記が始まってしまったのだ。





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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時

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