第十五話 ページ17
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「それにしては私が狙撃に撃たれそうになった時「治」って呼んでたよね?」
『昔の癖で、今は「太宰」のほうがしっくり来る』
「無意識なのか知らないけど、私を庇うように抱きついたよね?」
『…違う』
「私をあの窓から狙えないような所まで投げたよね」
『…………いや、それは』
太宰が細々と詳細を話し始める
僕の口がだんだんと小さく縮んでいった
「なんだ、鈴くんは太宰さんのこと大切だったんだね」
『淳くん?何言ってるのかな?』
「うふふ…やーっぱりかぁ、まだ反抗期だから素直になれないのだね」
『手前っ…いつか絶対死なす』
ググッと手が出てしまいそうなのを抑え込み
喉からかろうじて出せる声音でそう宣言した。
「ま、まぁまぁ…鈴くん落ち着いて」
「か、顔がものすごく怖いですわよ…?」
『くそ…青鯖野郎め』
「アハハハハ私には一生勝てないのだよ」
そう優雅に笑ってどこかに行ってしまった。
いや、どこ行くんだよ
「おい!どこへフラフラと行くんだ!」
「ちょーっとお散歩ー」
『…どうせ…入 水でもするんでしょう』
僕も立ち上がって太宰さんについていく
ん?別についていくわけではない
『国木田先輩。僕、ここの食材切れてるの買って来るので』
「あら、鈴ちゃん気がきくわねぇ。」
『昨日冷蔵庫見たらいつもより足りなかったし、小麦粉もあと二つでしょ?』
「ありがとう。助かるわぁ」
「鈴、ついでに太宰の見張りも頼んでいいか?コイツは正午に俺との調査が入ってる
探す手間は省きたい」
えぇ…嫌だなぁ
チラリと太宰を見ると「鈴も来るのかい?」と顔をこっちに向けてる
『じゃあ、リードでもください』
「ああ、わかった」
「待って!それじゃあ私が犬ではないか」
『うるさいんだけど。僕の手間を省く、国木田先輩の手間も省ける良い案でしょ?』
鈴の隣で谷崎兄妹と敦が引きつった笑みを浮かべている
至極当然の表情を浮かべているのは国木田と鈴のみだ
「…す…すごい」
こう思ったのは敦だけではなかった。
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時