検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:61,271 hit

No.AOI ページ11







り「蒼。ちょっといいか?」

蒼「はい。何でしょうか」



外は焼け付くほど暑そうな空気。

それに対してここ__水綺家は快適な空調だ。


り「聞きたかった事なんだが、なんでお前はヒーローを目指さなかったんだよ。
実力はあるだろ?」

蒼「執事として従える主人を守る為に鍛えてるのですよ。執事兼ボディガードです。」


ニッコリ笑って答える蒼

しかし、りおが求めてる答えとは違う



り「あの人みたいに自由にヒーローすればいいだろ。」

蒼「………私の兄__”瑠葵“の事を言ってるのですか?」


パタンと閉じた本。

どうやらちゃんと話す気になったようだ。



り「ああ。それとも責任を感じてやってるとかか?」

蒼「さぁ………実際、長男が青羽の執事筆頭になりますからね…どうなんでしょうかね」

り「濁すなよ。そんなに言えない事情か?」



逃がさないとでも言うように言い放つりお。

蒼は変わらず澄ましたような笑顔だ。



蒼「少なくとも…………全部、僕の意思だよ。りお」

り「は?」


蒼「では、休憩の時間が終わったので失礼します。りお様。」



スッと通り過ぎる


り「………アレはもう聞き出せないな…」






パタン


…………





蒼「…………」




閉めたドアにもたれかかって

笑顔をやめる。



蒼(気づいたら、りおは怒るだろうな。他人から見たら『尽くしてる』って
感じだろうし…)



カサ…


胸ポケットに手を入れて一枚の写真を取り出す。


そこには少し大人びてる少年と無邪気に笑う片頰に模様が付いている少年。



蒼(あの時から………もう僕にはヒーローがいたよ…りお)






焼けてしまいそうな夏の日。


僕が憧れている、本当のヒーローに出会うまでの





__昔の話。






・→←No.90



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

餅原 葵(プロフ) - 幸音さん» 自分は太宰さん大好きで、文ストとはいつかクロスオーバーさせたかったのでこっちとしても楽しかったです。更新頑張ります。 (2018年6月27日 6時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)
幸音(プロフ) - 初めまして!いつも楽しみしています!まさか、文ストとのクロスオーバーを書いてくださるなんて、思ってもいませんでした!とても面白かったです!これからも頑張ってください!応援しています! (2018年6月26日 23時) (レス) id: ed7abbbf1c (このIDを非表示/違反報告)
餅原 葵(プロフ) - 新キャラ登場です! (2018年5月22日 6時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)
うらら@坂田家.ぴく民.ら民.ゆっ家族.などいっぱい← - 餅原 葵さん» あ、わしが惚れるやつやん!! (2018年5月21日 23時) (レス) id: 6f50c84bd5 (このIDを非表示/違反報告)
餅原 葵(プロフ) - いえいえ、こちらこそありがとうございました。 (2018年5月16日 16時) (レス) id: 1335265c7d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水縹 葵 | 作成日時:2018年4月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。