【WT】気ままな彼女の自由な日常2 (ページ27)

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第n印象ページ27

彼女の第一印象はあまり覚えていないけど、第2印象は「なんかやりにくい」やった。

高1からこっちに越してきたから当時は友達もいない上、何かとボーダーとまとめられるのは同じクラスの彼女が多かった。

俺が入隊した時にはもうすでにA級に王手を掛けていた彼女は、なんか雲の上のような存在に思えてた。
俺がB級に上がるまでは特に接点もなかったし、無事B級に上がる頃には彼女はすでにA級やったし。

それまでに話すようになった同級生のボーダー隊員は彼女のことを「猫」だと評する。隠岐が気に入りそう。

水上「あ〜、志之サン。こないだ抜けてた分のノート見せてくれん？」

そう声をかけると、丸い目が俺を捉える。思ってたより丸い目やな。
やりにくさの原因の一つはこの視線やねんけど。

意識的なんか無意識なんかは知らんけど、向こうからは絶対に逸らされることのないであろう視線は居心地が悪いどころの話ではない。

『何？』

水上「いやノート」

『この前、数学と古典と英語の授業抜けてたじゃん。

だから、何の？』

水上「ええなら全部。」

『…はい。』

ガサガサと鞄を漁ったのちに雑に渡された3冊のノート。

水上「今日古典ないのに持ってたん？」

『貸してあげようと思ってたからね。』

よく見ると上がっている口角。
関西人として、このボケに咄嗟にツッコまれへんかったのは痛い。

それにしても、これには正直に驚いた。そんなに優しい人やったっけ？

『嘘。シンプルに出すの忘れてただけ。ラッキーだね。』

水上「ほんまやわ。助かった。今日中に返すわ。」

『いつでもいいよ。』

この日、俺の中の志之ちゃん像に「意外とノリがいい」が追加された。