【WT】気ままな彼女の自由な日常2 (ページ25)

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王子「ののさんとシーノって仲良かったっけ？」

蔵内「確かに、そんなに話しているイメージはないな。」

藤丸と志之は仲が悪いわけではない。
藤丸は妹のように可愛がり世話を焼くし、志之も無意識に藤丸には甘えている節がある。

それもこれも、少し前のある出来事がきっかけだ。

『…ののさんは、私を子供か何かだと思ってるんだよ。』

目線を僅かに落としてそう言う志之は、藤丸とのある出来事を思い出していた。

──────────

林藤さんに拾われ、生活が一変した私はしばらく眠れない日々が続いていた。

元々恵まれていたわけでもない私は、自分の家のベッドで寝られる日が来るなんて夢にも思っていなかった。だから、少し落ち着かないのだ。

だからと言って、今までの生活の中に私を落ち着かせる要因なんてほとんどない。

そんな時、最後に相手をしたお客から最近はスマートフォンのアプリで相手を探すことが多いと聞いたのを思い出した。

『(スマホか…、聞いたことはあったけど使うのは初めてだな。)』

お金はあったが契約する名義がなかったため使えなかったスマートフォン。林藤の名義として今は自分の手の中にある。

『ネット、ネット……、これかな。

ん〜、そういうのってどうやって調べたらいいんだ？』

あっちこっちタプタプと触っていると、どうやらそういうサイトに辿り着いたらしい。

『(こっちでも、1人か2人はキープしとくか。)』

迅やゆりさんとの生活が退屈なわけではない。ただ、前と同じことがひとつでも欲しかっただけなのだ。

男受けのいい文言は慣れたもので、昼間の勉強はまだまだちっとも進まないのにこういうことはスルスルと登録できてしまった。

体の繋がりだけを求めている男はこっちにもいるようで、あれから数日後、私はホテルの住民となっていた。