お姉さん的存在 ページ24
1年のランク戦が全て終わった後、弓場隊＋αの面々はウマいメシを食べていた。
積もる話もそこそこに、あとは解散だという時間。
藤丸「おいユカリ〜！しんみりした顔はやめろ〜！次勝ちゃいいんだよ！」
弓場「空閑にはいっぱい食わされてばっかだろうが。見返してやれや。」
帯島「ハ、ハイっす！」
王子「弓場さん、僕たちがいた時より生き生きしてない？」
名残惜しいように雑談に花を咲かせていると、藤丸は道路を挟んだ向こうに見知った姿を見つけた。
藤丸「あ、あれAじゃねぇか？お〜い！」
蔵内「志之って、もうこんな夜遅くだぞ。」
神田「ののさんって志之と仲良いですよね。」
藤丸「Aは、あたしの妹みたいなもんだからな！」
外岡「その割には無視されてますけど。」
当然、藤丸のよく通る大きな声に気づかないはずがなかったが、集団の中に王子と弓場がいることや、一目でわかる仲間内の集まりに入って行きたくないのだ。
藤丸「あ！コラ！無視すんな！」
『騒がしい集団には近づくなって言われてんですよ。』
王子「やぁ、シーノ。奇遇だね。」
『今回に限っては本当に奇遇なんだろうけど、王子がそう言うと怖いのなんでだろうね？』
王子「ね？」
帯島「志之先輩、こんばんはっす！」
『おす〜。じゃ、私行きますんで。』
弓場「おいテメェ、こんな時間に1人で出歩いて何してんだ。」
『こんな時間って、まだ21時じゃないですか。帯島ちゃんの方が問題でしょ。
私はいいんですよ。』
藤丸「A、お前また」
『あ〜〜っと、違います。ののさんが思ってるのとは違いますよ。コンビニにアイス買いに来ただけです。』
ほら とみせる袋の中には、美味しそうな雪見だいふくが入っていた。
おそらくこの後コタツに入りながら食べるのだろう。
王子「ここで会ったのは何かの縁だし、シーノは僕と蔵内で送っていくよ。いいよね？弓場さん。」
弓場「あァ、俺たちは帯島と藤丸送ってく。」
藤丸「2人とも、絶対家まで送り届けろよ。」
王子「分かってるよ。信用ないなぁ。」
断ることのできない雰囲気に、志之は気まずそうな顔をする。こんなことなら出かけなければ良かったと、心の底から思った。
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年9月14日 19時
