【WT】気ままな彼女の自由な日常2 (ページ3)

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「こんな時間に何をしているの？」

この日も、ホテルからの帰りだったと思う。突然話しかけてきたのは、目元の柔らかい女性だった。

『……別に。関係ないでしょ。』

「あら、左の頬怪我してるじゃない。ちょっとこっちにきて、手当てしましょう。」

『ちょっと、やめて。余計なお世話。』

「ゆり？何してるんだこんなところで。」

「叔父さん。こんな時間に女の子が歩いてるの。危ないでしょう？」

あぁ、そういうことか。この女で気を許させて、私を抱くつもりなんだろう。

『…そんな回りくどいことしなくたって、私はそんなにガード固くないよ。』

「え？」

『それで、お兄さんはいくら払ってくれるの？』

私のその言葉に、一瞬目を見開いた女は、気が付いたらなぜか私を抱きしめて泣いていた。

「今まで怖かったでしょう。でも、もう大丈夫よ。」

「俺は林藤匠。こいつは姪のゆりだ。

俺たちはこっちに仕事の出張で来てるんだ。」

『そんなこと、私たちの関係にはどうだっていいでしょう？』

ゆり「そんなこと言わないで。ほら、手当てするからこっちに来てちょうだい。

安心して、貴女はもう大丈夫よ。」

……何を根拠にこう言っているのか、この時はまだ分からなかった。

それから、私のこれまでの生活とか、身寄りがないこととか、学校に行ってないこととか、全部喋らされた。

この女の人、ダメだ。笑顔の圧がすごい。

ゆり「そう……。辛かったわね。でも、さっきも言ったけれどもう大丈夫よ！

叔父さん、この子ボーダーに入れましょう！」

『ぼー…だー……？』

林藤「そうだなぁ。A、この世界は何もここだけじゃないんだ。地球上だけでもまだ広い上に、ここ以外にもまだまだ世界がある。

ボーダーは、そんな世界からここを守るために頑張ってる連中ってわけだ。」

『はぁ。』

林藤「うちのゆりはお前さんに来てほしいみたいだが、どうだ？来るか？」

正直めんどくさい。今の生活だって悪くないはずだ。
なのに、こんなに惹かれてしまうのはなぜだろうか。

ゆり「ね！いいでしょ？」

『…………ウン。』

ここで頷いたのは、多分、ゆりさんの圧に気圧されたからに違いない。