【WT】気ままな彼女の自由な日常2 (ページ13)

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影浦「おい、今日このあと予定は。」

『ないよ。直帰。』

影浦「行くぞ。」

『なになに、デートのお誘い？』

影浦「……そーだよ。」

『え、珍しい。』

こっちを見る丸っこい目に、なぜか居心地の悪さを覚えてマスクを上までグッとあげた。
今見ている感じだと、もうあの時みたいな違和感はなく、いつも通り気だるげだけど、目に見えて浮ついている。

影浦「どっか行きたいとこあるか。」

『考えてくれてるんじゃないんか〜い。』

影浦「ねぇならねぇで別にいい。適当に歩くぞ。」

『え〜、じゃあ影浦渾身のデートプランで行こうよ。私が点数付けてあげる。』

影浦「余計なお世話だ。」

それから、有名なコーヒーチェーン店でフラペチーノを買い、こいつが寄りたいと言った雑貨屋に寄った。

『結局私の行きたいところばっかり行ってるね。』

なんて言うこいつの笑顔には、もう昨日の恐怖みたいな感情はないように見えた。

──────────

『のわ〜〜！海だ！』

海はテンション上がる。だって電車からしか見たことないんだもん。

影浦「…おめぇ、なんかあったんか。」

『え？』

影浦「今日の朝、なんか変だった。」

『あ〜、うん、ちょっとボーッとしてただけだよ。』

影浦「それだけじゃねぇだろ。」

『影浦のそのSEずるいわ。』

影浦「お互い様だろ。」

『…昨日、広報の仕事しに化粧品の会社に行ったんだけど、そこの社長に襲われそうになっただけだよ。』

影浦「は？」

影浦にとっては、小説とか漫画とか、ドラマみたいな話だろうか。いや、コイツは小説とか読まないか。

『別に隠してたわけじゃないんだけどさ、昔は貧乏で身体売ってお金稼いでたの。

その時の客だと思うんだけどね〜。見覚えは全くないし、私もそんなに自分の体に拘ってるわけじゃないしね。

私の身体ひとつで大金が動くと考えたらウケるでしょ。

まぁ、唐沢さんに助けてもらったんだけどさ。』

影浦「お、まえ…、」

『聞いてて心地のいい話じゃないでしょ。』

別に他人の評価を気にしているわけじゃない。他人が私をどう思おうがさして興味はない。

でも、どうして影浦の顔を見るのがこんなに怖いのだろうか。昨日とはまた違った恐怖。

最近の世の中は、物騒になったものだ。