お眠りお姫さま ページ21
いつもの狙撃手訓練。通常狙撃訓練ではいつも通り奈良坂の独壇場だった。
そしてこちらもいつも通り、当真は何故か寝顔の絵文字を的に描いていた。
夏目「ひぇ〜、やっぱナラサカさんヤバいわ。」
雨取「今日も1位だったね。出穂ちゃんも、どんどん順位上がってきてるし、すごいよ。」
夏目「B級に上がるにはまだだけど。ってうわ、トーマ先輩また遊んでるじゃん。」
当真「当てて当然の的に真剣になんねぇだけだよ。」
夏目「やっぱソロ1位は言うことが違うっすね。
トーマ先輩がまともに戦ってるログとかないんすか？」
当真「そりゃ、チーム戦のログとかだと真面目にやってるぜ。」
夏目「見たい見たい！」
雨取「私も、見てみたいです。」
当真「あ〜〜…。」
歯切れの悪い当真は、狙撃手訓練に来る前の会話を思い出していた。
『真木はもう帰る？』
真木「はい。今日は見たい映画があるので。」
『隊長はエンジニアルームだよね。当真は〜？』
当真「これから狙撃手訓練顔出してそのまま帰るぜ。」
『じゃあ、私しばらくここで寝て帰るわ。』
人の出入りの少ない隊室は、人の気配を敏感に察知してしまう志之にはうってつけの睡眠場所だった。隊員が出払っている時にこうしてひとりで眠りにつくことがある。
当真は隊室へと案内しようとしたが、安心して眠っている志之を起こしてしまうことが頭をよぎった。
だからといって、他の人の隊室に行くのも、玉狛まで行くのも煩わしい。
当真の頭の中の天秤は、志之に気をつけながら冬島隊の隊室へと向かうことに傾いた。
当真「じゃあうちの隊室行くか。今ならまぁ、多分いけるんじゃねぇかなぁ。」
夏目「マジっすか！」
雨取「はい！ありがとうございます！」
当真「多分うちの隊員が1人寝てると思うから、できるだけ静かにな。」
夏目「ハイっす！」
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年7月29日 19時
