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人も増えてきた17:00。この人の多さをさらに加速させるような私たちのボーダー18歳組の人の多さたるや。
結花も倫もそれはそれは可愛い浴衣姿を見せてくれて、3人でめちゃくちゃ写真撮った。
それにしても、食べ物をほとんど奢ってくれた男子たちイケメンすぎやしないか?私なんて、この中で2人しかいないA級隊員なのに、ほとんど奢ってもらってしまった。
でもまぁ、こんなに人の多い夏祭り。こうなるよね〜〜。
『はぐれた。』
あんなところに美味しそうなリンゴ飴があるのが悪い。
…いや私が悪いな。随分と向こうのほうに穂刈の頭が見える。
とりあえず結花に連絡しとこう。
《境内のところにいるね。
今〈了解。動かないでね。
さ、食べ物しこたま買って境内のところに行くか。
それにしても本当に人多い。踏ん張ってないと流される。
『あ。』
思ったそばから倒れる。食べ物を両手に持ってるから受身も取れない。
……と思ったけど、お腹を支えられる感覚。私はこの匂いを知っている。
『……犬飼。』
犬飼「っはぁ、本当に心臓に悪い。」
『なんでここに』
犬飼「そんなの、Aちゃんが心配だからに決まってるでしょ。
はぁ、あっつ。」
どうやらこの人ごみの中を走ってきたらしい。
焦りからか、いつもの飄々としたムカつく笑顔がなくて、皮肉を並べようと思ったけれど、彼の首筋をつたう汗と、掴まれた手首から少し汗ばんだ熱い手を感じてやめた。
犬飼「…本当に焦った。今日Aちゃん、いつもよりうんと可愛いし、誰かに声かけられてないかとか…」
『そんなことあるわけないでしょ。』
犬飼「Aちゃんは、みんなが思ってる以上に」
今「あ!A!探したんだから!」
当真「どうせ食いもんに気ぃ取られてただけだろ。いつものことだな。
犬飼が見つけてくれなきゃ、ここまでたどり着けたかどうかもわかんねぇぜ。」
『それは本当に失礼。』
荒船「まぁ見つかってよかったじゃねぇか。」
村上「そうだな。もうすぐ花火も始まるし、みんなで見よう。」
王子「食べ物は、シーノが買い込んでくれたみたいだね。」
当真「食い意地だけは、一丁前だな。」
その後に見た花火は、まじで綺麗だった。
…犬飼が何か言いかけてたのは、もう忘れることにする。
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作者名:通りすがりのいぬ | 作成日時:2022年7月29日 19時