【WT】青春待ったなし！！！！！ (ページ7)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:5,238 hit

優等生彼女のやんちゃな秘密ページ7

木崎「ほら遊真、食い終わったならいくぞ。」

空閑「ほいほい。」

玉狛支部の一部は、晩御飯の買い出しに街に出ていた。
B級上位での初勝利を讃えて少し豪華にすき焼きになる予定だ。

その祝賀会の主役である玉狛第二のメンバーがなぜか駆り出されていた。

空閑「…む。」

三雲「どうした？空閑。」

空閑「あれ、ひめ先輩じゃない？」

三雲「……どこだ？」

空閑「ほらあそこ。あそこの本屋さんの前歩いてる女の人。」

雨取「本当だ。姫坂先輩だ。」

木崎「珍しいな、こんな時間に1人で歩いてるのは。」

三雲「こんな時間って、まだ5時ですけど…。」

木崎「逆だ。あいつがここを歩いてるには早いって意味だ。
夜までランク戦をしているか、趣味の映画鑑賞をしていることが多いからな、姫坂は。」

良く知ってる…と思いつつ、なんとなく姫坂の方に目を向けると、もう空閑と雨取は姫坂の方へと足を運んでいた。

三雲「おい！…はぁ。」

相変わらずの姫坂と空閑の仲の良さに感心しつつ三雲と木崎も2人の後を追う。

三雲「(……なんだ？何か違和感…、あぁ髪型か。)」

いつもはストレートに降ろされているミディアムの髪の毛が、ふわりと巻かれ耳にかけて綺麗に整えられている。デートだったのだろうか。

言われてみれば、とても女性らしいふわりとしたシフォンスカートに、上品なトップス。少し高級感のある小さめのバッグにお洒落な伊達メガネ。

デートだと言われれば疑いようのない格好だった。まぁただの趣味なのだが。

空閑「おーい、ひめ先輩。」

そんな空閑の呼びかけに、ゆったりと進められていた足は動きを止め、くるりとこちらに振り返る。

その時、きらりとした少し強い光が三雲の眼を掠めた。

三雲「(首飾り……にしては位置が高いな。顔…？)」

若干逆光になっていて暗い姫坂の顔。
空閑や雨取を見つけるとすぐに耳にかけられていた髪をさりげなく降ろした。その動きのスムーズさからいくとおそらく癖なのだろう。

しかし三雲の目には、姫坂の左耳で小さいながらも存在感を放っていた、緑色のピアスがしっかりと映っていた。