【WT】青春待ったなし！！！！！ (ページ19)

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どうしたって学校に行く気になれない私は、忌引き休暇いっぱいは休むことにした。
だからといって、家にいたって虚しくなるだけだからせめて外の空気でも吸おうと、毎日散歩をする日々だ。
皮肉なことにも、ここ数日はとても天気がいい。

忘れることなんて一生できないけど、私なりに時間をかけて整理していこう。

「あ〜〜、そこの、ロングの髪の、お姉さん。」

『？』

「そう！君！今ちょっといい？」

『はぁ…。』

なんだこの人。見た目は…高校生くらい？それにしては制服を着てないし…。

「まぁまぁ、そんなに警戒しないでよ。俺、迅悠一、中3。君は？」

『姫坂、Aです…、中1…。』

迅「へぇ、大人っぽいね、高校生かと思った。」

それはこっちのセリフだ。

迅「君、学校は？」

『あ、えっと、今忌引きで…。』

迅「へぇ、誰か亡くなったの？」

『………父と、母が。』

迅「ふぅん、大変だねぇ。」

『迅、先輩は学校にはいかなくていいんですか。』

迅「先輩とかやめてよ、柄じゃないし。
俺はまぁ、今は大丈夫かな。昨日も行ったし。」

『…そういう問題ですか。』

迅「ところでさぁ、最近変わったことない？」

『変わったこと…ですか？』

迅「そう、変わったこと。

そうだなぁ、例えば…、人が急にいなくなったり、とか。」

『！』

心底驚いた。今日初めて会うというのに。
全てを見透かされているような、試されているような彼の視線に、たまらず目を逸らした。

迅「あれー？違った？君の弟がこの辺でいなくなったって聞いたんだけどなー。」

『な、んで、それ…。』

迅「俺、そういうの専門にしてるんだよね。
不自然に人がいなくなったりとか、そういうの。

この辺で人が急にいなくなったって聞いてさ。君の話聞きに来たの。」

…今冷静に考えれば怪しすぎるけれど、この時ばかりはお母さんから言われていた「知らない人についていっちゃダメ」を忘れていてよかったと思う。

これがちょうど、あの大規模侵攻の１週間くらい前の話だ。