ホワイトデー ページ43
3/12の夕方。辻は自分の隊室で犬飼を待っていた。
自分のスマホで、「ホワイトデー お返し」だなんて検索しながら、実際に渡す時のことを考えてアワアワしていた。
犬飼「お疲れ様で〜す。」
辻「あ、あの、犬飼先輩。ちょっといいですか…？」
犬飼「お、辻ちゃんがその顔をしてるってことは、姫坂ちゃん関係かな？」
辻「うっ……、いやまぁ、そうなんですけど…。
バレンタインデーのお返しを、その、ひ、姫坂さんに渡したくて、でもどんなものがいいのか分からないので…。」
犬飼「辻ちゃんが渡したいものを渡したらいいと思うけど、ホワイトデーのお返しにも色々意味があるみたいだよね。
例えば、マカロンだと 自分にとって特別な存在だよ とかね。」
辻「とっ！」
ぽぽぽっと辻の顔が赤くなる。そんなの、告白してるようなものじゃないか…！とやっぱりアワアワしている。
辻「ちなみに、犬飼先輩も何かお返しを…？」
犬飼「ん〜、そうだね。ていうか、俺が姫坂ちゃんに頂戴って言ったから、何か返そうとは思ってるけど。」
辻「な…何を渡すんですか…？」
犬飼「俺は、姫坂ちゃんが欲しいもの、リサーチ済みだから。」
ニヤ〜と辻を見る犬飼。もうこの男がついていれば辻が自動的にアピールできるのではないだろうか。
辻「ち、ちなみに、その、欲しいものっていうのは…。」
犬飼「それはほら、自分で聞いて来ないと。」
辻「ウ゛……、そうですよね………。」
シュン…としている辻。犬飼はそこまで鬼ではなかった。
犬飼「まぁもう日もないしね、今回は特別だよ。」
辻「犬飼先輩…！」
犬飼「俺からは、二宮隊からってことで渡すから、辻ちゃんは頑張るんだよ。」
辻「は、はい…！」
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年2月20日 15時
