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ありがたく服を借り恐る恐る脱衣所を出る。ていうかこの服、弓場さんにしては小さいような。
いつもの弓場さんの匂いもしない。
弓場「まずは姫坂、隠岐に礼だ。」
『やっぱりこの服、隠岐くんのだったんですね！
この度はどうもありがとうございました…。
あと、本当にごめんね。』
隠岐「い、えいえ」
深々と頭を下げる私に、まだ赤さの引いていない顔を必死に逸らしている隠岐くんに申し訳なさが溢れ出てくる。
弓場「…で、だ。
テメェは危機感がないって何度言わせりゃわかるんだ、アァ゛？」
『す、すみません…。』
弓場「隠岐が固まっちまったじゃねぇかァ！」
隠岐「いやほんま、やめてください…。
めちゃくちゃはずいっすわ。」
弓場さんの後ろで、顔を手で覆っている隠岐くん。本当に申し訳ないことをしてしまった。
『完全に、弓場さんだけだと思ってました…。』
弓場「そういうことじゃねぇだろうが！俺でもよくねぇだろがァ！」
『いやほんと、はい、仰る通りで…。』
隠岐「弓場さ〜ん…、俺は大丈夫なんで、もうその辺にしたってくださいよ〜…。」
弓場「いいや、コイツはここでシメとかなきゃ、またやるからなァ。」
結局このあと15分くらい弓場さんに説教されていた。
あの時柿崎さんが通りかからなかったらどうなってたのか…。想像するだけで身震いする。
柿崎「弓場？何してんだ。」
弓場「姫坂に教育的指導だァ。」
柿崎「教育的…？隠岐は？風邪か？」
隠岐「いや、ほんますんません…。」
柿崎「まぁよく分からんが、姫坂も反省してるみたいだし、その辺にしてやれよ。」
『か、柿崎さん…！』
弓場「チッ、姫坂ァ！次同じようなことしたらタダじゃ済まねぇからなァ！」
『はいぃ！』
柿崎「本当に何したんだ…？」
──────────
細井「あれ、ヒメちゃん来てんで。
いつもみたいに行かんでええの。」
隠岐「いや、今はそっとしといて…。」
細井「はぁ…？
あ、ヒメちゃんこっち来てるわ。」
隠岐「ン゛！？」
細井「嘘やけど。」
隠岐「マリオ〜！」
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年2月20日 15時
