遠慮近憂 ページ13
テストも終わり、あと数日を過ごしたら夏休みに入る。
まぁ私たちには夏休みは休み返上で本部に詰めいるんだろうけど。
とはいえ、夏休みといえばイベントがたくさんある。
お祭りだったり花火だったり、泳げはしないけど海にだっていってみたい。
こんなことで浮き足立っているのは、私だけじゃないらしい。
米屋「ヒメ〜、今日本部行くだろ？行こうぜ。」
『ん〜、先行ってていいよ。』
米屋「なんかあんの？」
『ちょっとね。』
米屋「もしかして、また告白か〜？」
『まだ分かんない、けど』
米屋「すぐおわんだろ、待ってるわ。」
テストが終わったあたりから、告白されることが増えた。
同級生だったり、中には先輩もいたりした。
ああいうの断るの苦手なんだよな〜…。
「姫坂さん、俺と付き合ってください！」
『ご、ごめんなさい…。』
勢いよく下げられ頭と差し出された手。今時こんな告白する人いるのか。
勢いに負けて少し怖気付いてしまった。
いつもはここで諦めてくれるのに、この人はやけにグイグイくる。
「俺のこと好きじゃなくてもいいから、お試しってことで！お願い！」
『いや、その、ごめん…。』
「どうしてもダメ？もしかして彼氏いるとか！？」
そうか、彼氏いるっていえばもう告白してくる人もいなくなるじゃないか。
『そ、うそう！私付き合ってる人いるの！』
「まじで！？ここの学校の人！？」
『いや〜、ここじゃないんだけど……。』
「ボーダーつったら、六頴館！？」
『まぁ、その』
「まじか〜…、俺六頴館に知り合いいないんだよなぁ…。
でも彼氏いるなら仕方ねぇか。
ごめん、時間取らせて。じゃ！」
や、やってしまった〜〜〜！！！
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作者名：通りすがりのいぬ | 作成日時：2022年2月20日 15時
