恋した私が馬鹿だった。【佐野万次郎】

さんじゅう ページ37

A side











マ「＿＿＿










叶が好き」


『.......。』




沈黙が続く。




マ「＿＿ごめん、
ほんとに、ごめん」




唇を強く噛み、顔を歪ませた後、90°に腰を曲げて頭を下げるマイキーくん。




マ「......謝って許されると思ってない」




「1発でもいい、殴ってくれ」マイキーくんはそう頭を上げた。




『ッ...』




パンッと乾いた音がした。


私は、




『.....マイキーくん＿＿＿










別れよう』




笑いながら別れを告げた。


東雲さんを選ぶと分かっていたから。

だったら、笑って別れようと、



そう思ったから。




....なのに




マ「.......あぁ」




マイキーくん


そんな顔しないで。




私の口角が下がると同時に、涙が伝う音がした。









これで、よかったんだ





マイキーくんのためにも、






私のためにも、









マイキーくんは、東雲さんが好きなんだから










スッキリした。


そう思っても涙は止まらなかった。




「送ってく」

そう私に言ってくれたマイキーくんの声がとても震えていたことに、



私が気づくことはなかった。

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