いつかは【アタリ/短】MorH ページ15
※甘々
※終始夢主視点
「ねぇ〜、こんな日くらいアタリくんも外で遊ぼうよ〜」
今日はお正月。
外のスペースではリリカちゃんやコクリコちゃん、それに付き合っているサーティーンさんなんかが凧揚げや羽根つきをしている。
お正月くらいにしかしないような外遊びにアタリくんもさぞかし心を踊らせているものだと思ってたけど、予想に反して炬燵に入り煌々と光るテレビ画面を見つめていた。
「えー、外寒いじゃん……。Aもこっちきて俺とゆっくりしてようぜ」
ぐでー、と机に顔をつけ、引き止めるように私の手を握り引っ張るアタリくん。
離してくれそうにないので「仕方ないなぁ」と言うと、「へへ、やった〜」と笑った。
「ほら、中入れよ。」
アタリくんは少し右に寄ると、自分の左隣の床をぽんぽんと叩いた。
大人しく隣に座り炬燵に入ると、アタリくんは私の身体をぎゅうっと抱きしめた。
甘え癖があるのかよくされるが、この時に感じるアタリくんの暖かさには心地良さを覚える。
「っへへ、正月からAを独り占めだぜ〜」
私の頭をわしゃわしゃと撫でながらアタリくんは呟いた。
頭を撫でられることに慣れている訳でもなく、少し照れてしまう。
「もー、私はアタリくんだけのものじゃないんだからね?」
誤魔化すように言い放つと、アタリくんは腕にこめる力を少し強くした。
「じゃあ、俺だけのものにする」
いつもより低いアタリくんの声が聞こえたかと思えば、身体は解放され、唇に柔らかい感触が伝わってきた。
アタリくんに、キスされた。
頬に添えられたアタリくんの片手は、元々炬燵の中にあったせいか熱を帯びていた。
私の顔の熱も誤魔化せてはいないだろうか。
「お前は俺のこと何とも思ってないかもしんねーけど、俺はAのことが大、大、大好きなんだからな?いつか振り向かせてやるから、覚悟しとけよ」
にやりと微笑むアタリくんは、どこか妖艶な雰囲気を纏っていた。
振り向くもなにも、もうずっと前からアタリくんのことしか見てないよ。
それを伝えようと口を開く前に、アタリくんは私の頭を今度はぽんと撫で、再びテレビ画面に目戦を移した。
タイミングを失ってしまった……、まぁ、また今度伝えよう。
テレビを見るアタリくんの顔は、どこか満足げだった。
私が想いを伝えた時には、それ以上に嬉しい顔してくれないと怒るからね、アタリくん。
───
元日中に滑り込み更新しようとしたけど無理でした。無念
HAPPY VALENTINE DAY!→←明けましておめでとうございます
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーヒーロー
十文字アタリ
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すた | 作成日時:2017年12月29日 4時