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怪我【アタリ/中】H ページ11

※甘め
※終始夢主視点




「いっ……たぁぁぁ!」



アリーナのバトルステージの出入り口で思わず叫んでしまった。
割と大きい声だったから、一緒にステージから出てきた他のヒーローもびっくりさせてしまった。ごめん。



「ど、どうしたんだ……?」



近くにいたアタリくんがすかさず声を掛けてくれた。
周りのヒーローたちはこんなに大人数いらないだろうと思ったのか、事の全てをアタリくんに丸投げして去っていった。



「……足首、すっごい痛い」



ステージ内はキルされようがダメージを受けようが設定されたライフが減るだけで、痛くも痒くもない。
けれど、そんな不思議な設定はステージが一歩出た瞬間に解除されてしまう。
しかもバトル中に相手から受けた以外のダメージ__今回のように足を捻ったり__は残ったままで。
そりゃ出た瞬間に激痛が走るわけです。というか本気ですごく痛いから自力で歩くなんて出来ない気がする。



「歩け…………なさそうだな……。……ちょっと力抜け。……よっ、と」



歩けないことを察してくれたアタリくんは、私の身体をひょいと持ち上げた。
所謂、お姫様抱っこというやつ。
突然のことで一瞬理解が追いつかなかったが、自分がされていることに気がつくと同時に顔に熱が集まるのがわかった。



「このまま医務室に行くぞ」
そう言うと、アタリくんはいつもより慎重に、それでいて出来るだけ速く走った。
ルチアーノさんがいたら「危ないから走るな」と止められたかもしれないが、幸い医務室までの廊下には誰もいなかった。
たとえルチアーノのさんじゃない他の誰かがいたとしても、恥ずかしさでどうにかなりそうだけど。

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作者名:すた | 作成日時:2017年12月29日 4時

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