【#コンパス】Dream World【夢小説】 (ページ2)

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必然的でぇと【アタリ/中】MorH ページ2

※甘め
※終始十文字アタリ視点

「え、好きな人？いるけど」

さも当然のように言われてしまった。
いや、そもそも俺が軽々しく「Aって好きな人いんの？」なんて聞いてしまったからなんだけどさ。

ただ、ふと気になっただけで、気になったから聞いただけ。それだけなんだけど、妙に胸が苦しい。
原因はなんとなくわかるけど、はっきりとは理解したくない。

そんな臆病な奴に「それって誰？」なんて聞く勇気もなく、その時はそれで終わった。

***

「いってきま～す」

「いってきます！」

Aと俺、声を合わせて玄関から呼びかけるが、中からは返事がない。まぁ、共有スペースには誰もいなかったからな。

皆それぞれ、アリーナに行っていたり別の用事があったりするんだろう。たまたま買い出しの当番だった俺とAは、こうして外に出ている。

買い物の量は多くないけど、少しだけ遠出しなきゃいけない。
というか、買い物自体はすぐ近くで済ませられるんだけど、気になるゲームがあるからついでにそれも買いたくてさ。Aも了承してくれたし。

少し歩くと、無人のバス停が見えてきた。ほんとこの辺田舎だよな……。
なんだか話しかけづらくてここまで会話もせずに来てしまったから、少しモヤモヤする……。
何か話しかけた方がいいよな、と思ったけど、すぐにバスが来てしまってそれは叶わなかった。

***

「ねぇ、着くまで寝ててもいい……？昨日、あんまり寝れてなくて」
バスの一番後ろの席に座るや否や、Aが問いかけてきた。
苦笑する彼女に「ん、いいぞ」と返すと、「ありがとう」と言い俺の肩にもたれかかってきた。

……いや、まぁ、この状況においておかしいことじゃない。俺が窓側に座ってるし。
けど、さぁ……？なんつーか、もうちょい意識しろよ…………なんてな。
「……、」
小さくため息をついて、窓の外を眺める。
右手は、彼女の手に重ねて。