サヨナラ僕の可愛い人【三途春千夜】

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「昔の女だろ。未練たらたらヤク中が仕留め損ねたっつーのは見てなかった事にしてやるよ」



小さい亡骸抱き締めてる俺の横に彼女を殺した張本人



灰谷竜胆がタバコを咥えながらしゃがみこんできた




「留学先でキャンパスライフを満喫中。両親が離婚留学先から無理矢理帰国して母方の方の実家に戻ったんだ。苗字が変わってたのもそのせいだ。」





知らなかった。




当たり前だ。


その時俺はもう既にお前を忘れようと薬に溺れていたから





「夢を諦めて亡き兄貴からの教訓。自分の身は自分で守る為警察官として就職」







「そしてこのザマだ」








彼女の顔を見るべく力を緩め顔にかかる髪の毛を退かす






「死に顔も兄貴に似てねぇんだな」






悶え苦しんだ兄貴と眠ってるように静かな妹







最後の最後






ようやく報われたんだこの女は。




可哀想な人生だ






俺以外から愛されず



愛する人の前で別の人に殺されるなんて







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「さみぃ…くっそ、」




丸裸の桜には蕾ができている





「覚えてるかクソ女。テメェが初めて俺を呼び出した場所だ」



「あん時都市伝説なんて信じてねぇなんて嘘ついてたの知ってたんだからな」



シャベルで掘った穴に投げ捨ててく



初めて呼び出した時の手紙


誕生日プレゼントとしてくれたピアス。

いつのか分からないプリクラ



そしてダイヤが埋め込まれた指輪



「ンでこんなガラクタ捨ててなかったんだよ…俺」


もう十数年前なのに


自分に文句を言いながら思い出を埋め直す




「ざまぁみろ。都市伝説が叶っちまったな」







「ずっと一緒だ。馬鹿A」







「愛してる」




冷たい風が吹く中



青い空向かって告げれば









俺は胸ポケットにある薬に手を伸ばした




fin.

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