サヨナラ僕の可愛い人【三途春千夜】

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高校生活もあっという間に終わり



俺たちはもう子供じゃなくなったのだ




『じゃあね春千夜くん、』


「おう、」



『…連絡ちゃんとしてね』

「ん、」



今日、Aは本当に留学する




俺が喧嘩に明け暮れてた時もコイツは死ぬほど勉強したのだ





『浮気、しないでね』


「どうだろうな、」






見送りは俺だけなので減らず口を叩きまくる




本当はお前しか居ない。


お前とマイキーさえいれば俺の世界は賄えてしまうのだから





最後の最後になっても素直にならない俺に眉をひそめて





Aは俺の胸ぐらを掴んで無理矢理引き寄せて




唇を奪った






数秒、もしかしたら数十秒かもしれない。






重なった唇が離れまだ熱を帯びてる状態。






重なっていた彼女の唇が緩く弧を描いてる




『春千夜くん、』





『だいすき、』




顔を上げると涙で濡れた頬なんて気にせず泣きながら笑うA







たかが4年だろ




4年会えない位で泣くなよ。





けど4年って俺らが一緒にいた時より長いんだな。







『行かなきゃ、じゃあね春千夜くん』





キャリーケースをゴロゴロ転がして



足早に俺の前から去ってく






行かないでくれ、なんて情けない言葉言えるわけない。









俺は立ち尽くす事しか出来なかった




それがアイツを見た最後だった


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『…春千夜くん……行くなって言ってくれても良かったじゃん。』






『少しくらい私を困らせてくれても、良かったのに…』







搭乗口までの道のりは長く小言が零れちゃう







夢を諦められる位好きな人が出来たのに …




この先もこんな事を思える人は





世界で1人だけなのに

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