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ザーザー降る雨より五月蝿いのが私の心臓。
バクバク言ってる。
ドクンドクン、耳元に心臓があるみたいに血液の流れる音は鮮明にきこえる
「おい、離れたらお前が濡れんだろ」
大きな手が肩に回され彼のいる方向に抱き寄せられる
このファンクラブ、特典が強くない？
憧れの灰谷竜胆くんと相合傘。
ファンクラブに入っただけで世界はこんなにも違うのか。
遠くで見てただけの竜胆くんが今は1つ傘の下。
緊張と喜びで死んでしまいそうなほど近い距離感に感覚が敏感になる。
彼のため息、灰谷くんとじゃれ合う声、時折籠る手の力
少し目線を上げると彼の横顔
灰谷くんと馬鹿やる時はこんな顔、するんだ
「マスク女、」
不意に話を振ろうとこちらを見る彼と見つめ合ってしまう
驚きから立ち尽くしてしまう。少し遅れて彼も立ち止まりちゃんと私が濡れないように隣に来てくれる。
灰谷くんの声がどんどん遠くに聞こえる
竜胆くんの顔はどんどん近くになっていく。
目を瞑る暇も無かった。
マスク生地が顔に押し付けられる。
目の前には閉ざされた竜胆くんの目とメガネ。
.
ザーーー、とうるさいほどの土砂降りの中
紺色の傘の下
ファンとアイドルはキスをしてしまった。
「は、間抜け面…」
驚きから何も言えない私に彼は鼻で笑う
早く歩けと言わんばかりに肩に回された手に押される
マスク越しに唇を触る
まだ残ってる気がする彼の唇の感触の温もりに倒れてしまいそうだ
.
『ありがとうございました…。家まで送ってもらって』
「マスクちゃんち暗いけど親は？」
『あと少ししたらお母さんも帰ってくるので平気です』
「今日は冷えるから暖かくして寝ろよ」
お母さんみたいな事を言う竜胆くんはそれだけ言い残すと来た道を帰る
竜胆くんの肩がびしょ濡れだった事に今更気付く。
何をしてもお節介になりそうだけど
今度はちゃんとタオルを渡す
新品のにしようか迷ったけど待たせる訳には行かないから家で使ってるものだけど
好意を無下にしない辺り灰谷兄弟も悪い子じゃないみたいだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「竜胆〜大胆だな〜。いきなりちゅーする奴がいるかよ。知らないふりしてた俺に感謝しろよ？」
「うるせぇな…。分かってるってば」
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あんこ(プロフ) - 竜胆カッコいいー♡こんな彼氏できたら最高です！ (2022年1月19日 2時) (
レス) @page15 id: 994e17cc8d (このIDを非表示/違反報告)
Gon(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます😊😊😊キュンキュンできる小説をこれからも出してく予定なので応援よろしくお願いいたします！ (2021年9月21日 10時) (レス) id: 5291ce1c35 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました！！素敵な作品をありがとうございます！！ (2021年9月19日 23時) (レス) id: b62efcdba5 (このIDを非表示/違反報告)
応援 - ちょ、マスク女から下の名前呼びはやばい惚れる← (2021年9月3日 0時) (レス) id: 280266c87a (このIDを非表示/違反報告)
Gon(プロフ) - 応援さん» CV：下野紘でお送りしております(昇天) (2021年8月30日 23時) (レス) id: 5291ce1c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GON | 作成日時：2021年8月25日 4時
