それでもそれは青かった【呪術廻戦】 (ページ3)

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七海建人ページ3

社会も呪術師もクソ

『七海、おかえり。』

結局サラリーマンを辞め高専に戻った時の第一声

見ない間に幼いと思っていた同級生は女盛りの美しい女性に

哀愁漂う憂いを帯びた表情は一体何人の大切な人を失ったのか

その中に私は入っているのだろうか

久々の同級生との再会に少し嬉々としてる

と五条さんから聞いた

「置いていってしまいすみません」

彼女の淹れたお茶が冷めないよう、すぐ口にする

『ううん、こうやって戻ってきてくれたじゃない。』

『灰原はもう、戻ってすら来ないから』

『七海、覚えてる？』

『七海が一緒に呪術師を辞めようって言おうとしてくれた時、私凄く嬉しかった。』

『卒業した後1人で任務に行く度に何度も後悔してた』

君は、灰原が好きじゃ…

彼女の口は止まるという事を知らない

マシンガントークなのは大人になっても変わらないのか

『自分にかけられた呪いを祓うことすら出来ない奴が何してんだって』

『七海の事が、昔から…頭から離れなかった。祓いたくても祓えなかった』

『七海が…昔から好きだったから』

灰原を好きだと言っていた記憶は確かに無かった

灰原は確かに彼女の事を好いていた

勝手に両想いだと思って引いていた

「私は」

『ダメ、今度は私が七海に呪いをかけるの』

『七海、好きよ。ずっと私を離さないで、非力な私を傍に置いて』

愛ほど重い呪いは存在しない

死しても尚その呪いは祓えない

「やっぱり呪術師はクソだと言う事ですね」

呪いをかけておいて先に逝くのはズルいでしょう

壁にもたれ掛かり静かに眠る冷たくなった彼女に呟いた