06*心拍数 ページ7
「…なんで迎えに来るの?」
「何時に出るか聞いてなかったんで、待ってました。」
「そうじゃなくて…
あ〜もう!ほっぺも鼻も赤くなってる!
一旦家に上がって!」
家の前で待っていたのは国見ちゃんで、家を最初に出るお父ちゃんが見付けて今に至る。
仕方無く準備が終わる間、部屋に上がってもらっている。
及川家のルールは適用されないよね?
あ、ちなみに及川家のルールとは
[家に異性を連れ込まない。]
家と言うより、姉弟間でのルールである。
化粧は済んているから髪型をどうするかだ。
「Aさんの部屋ってもっとキラキラとかふわふわしてると思ってたんですけど、意外とシンプルですね。」
「物を置くのあまり好きじゃないの。」
「中学の卒アル見ていいですか?」
…寛ぐ国見ちゃんに自分の家かな?なんて疑問が湧く。いつの間にか準備を終えた徹もいて、うるさい。
髪を結び終え、ブレザーとコート、マフラーを装着した頃には岩ちゃんが迎えに来てくれる時間になり4人で登校。
「金田一寂しがっているんじゃない?」
「どうだろ。そこまでべったりしてる訳じゃないんで。
…それにAさんに会いたかったんで。」
「…連絡先交換しておこっか。
朝は寒いんだから来てくれるならせめて連絡して。」
嬉しそうな顔してくれちゃて。
朝から調子が狂うじゃん…
察しているのか徹のニヤける顔がかなり腹立つ。
バレー部だっただけで飛雄ちゃん程の接点は無かったのに、なんで今更。
…この子も顔だけで私を見ているのかもしれない。
いつもの事だ。
「Aさん、危ない。」
「えっ…」
引っ張られるから体はすぐ後ろの国見ちゃんに寄りかかる形になっていた。
目の前をスピードの速い自転車が通り抜け、国見ちゃんが居なかったらぶつかっていたかもしれない。
「ちょっ、A大丈夫?!」
「国見よくやった。」
ビックリしすぎて心臓が痛い。
見下ろす瞳はどこか安心したかのよう。
「ごめんね、ありがと…」
「Aさんってしっかりしてるそうなのに、ボーッとしてますよね。」
「それ褒めてるの?バカにしてるの?」
「アイツよくボケっとしてるよな。」
「朝なんて特にボケボケしてるよねー」
前を歩く二人がうるさい…
事実なだけに言い返せないけど。
「…心配なんで手、繋ぎます。」
有無を言わさず繋がれた手に、少しドキドキしたのは内緒だ。
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夢ってすごい - めっちゃ話面白くて大好きです!続き読みたいんですがもし良ければパスワードって教えて頂けますか? (2021年2月25日 19時) (レス) id: 4e60d50856 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 八雲さん» コメントありがとうございます!国見ちゃん良いですよね!更新頑張りますね!良いお年を♪ (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - この小説を読んで、国見ちゃんがすごく好きになりました。更新楽しみにしながら生きてます笑おーえんしてます! (2019年12月31日 21時) (レス) id: e27e1c0612 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 碧凪さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね! (2019年12月21日 20時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
碧凪 - 初コメ失礼。めっちゃおもしろいし、更新早いからすごい嬉しい、これからも頑張って、よろしく! (2019年12月21日 18時) (レス) id: 0fcfd6af6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2019年12月19日 21時