国見ちゃんと可愛い方の及川さん[HQ!]

38*中間管理職 ページ39

岩泉一side


及川に見せられた画面に合コン行かせちまった事を後悔した。
麺をかっ込み、及川連れて店を出る事に。


｢…Aさん何かありましたか？｣

｢国見も来るか。｣

｢はい。｣

｢ちょっ、ちょっと待って、すぐ食い終わるから｣

｢早くしろ、ボゲ！｣


正直少し焦ってる。
行きたくねぇAを行かせたのは俺。
その合コンにクソ野郎が居たのは想定外だが、今アイツ困ってんじゃねぇかよ。

花巻達に謝り、ラーメン屋のおっちゃんにお礼を言い店を出た。
駅前ならここから10分も掛からねぇな。


｢…なんで岩ちゃん指名なの？｣

｢中学ん時、負かした事あっからな。｣

｢…その人ってAさんの元彼、ですよね…？｣

｢あぁ。今だから言うけど、そいつのせいでAはバレー部と付き合えねぇんだ。｣



｢やっぱりそうなんだ。｣


ゾッとした。
及川の声色がいつものふざけてるやつじゃなく、低いもので隣の国見も察したのか口を噤んだまま。

…コイツには言ってねぇ。
中学ん時にAに口止めされてるし、アイツも及川には言ってねぇ。


｢あの頃俺も余裕無かったからAの事まで気を回せなかったんだよねー。｣


中学最後の大会前、勝てない牛島、入学してきた影山の力量に焦り余裕が無かった事は良く覚えている。


｢…雨霧が俺の事気に食わなかったのはよく分かる。
同じセッターで俺がいる限りはレギュラーにはなれなかったからね。｣

｢おめぇ以上にクソ野郎だった。｣

｢俺はクソ野郎じゃないやい！｣

｢うんこ野郎か｣


及川は昔からモテる。

野郎の中にはそれを妬み嫌う奴も極少数居たが、外面の良さと他人と分け隔てなく接する所、持ち前の明るさで男女共にダチは多かった。

雨霧も元々はバレー好きな奴で部活にも毎日来ていたし、練習だって真面目に行っていた。
２年で先輩が引退し、正セッターを及川と争い出してから変わっていった。

及川に対しての態度も悪くなるし話さねぇし。
それに対して主将になっていた及川も何も言わねぇ。

結果、努力惜しまなかった及川がセッターになったが。


もうすぐ中学３年に上がる頃にAと付き合い出した。

Aは好きだと笑うし、及川もそれを応援していたから俺は特に何にも言わなかった。



｢正直俺は反対だったけどねっ！
Aかわいいのに雨霧はないわぁって思ってました。
性格よくなかったじゃん？｣

｢及川さんが言うならよっぽどですね。｣

｢どっちもどっちだろ。｣

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