国見ちゃんと可愛い方の及川さん[HQ!]

24*にっこり。 ページ25

｢明日、練習試合するから。
放課後に烏野高校が来るので早めに体育館集合でアップしてるように！｣


顧問は30代前半の女教師。
体育会系でバレー経験者。
ただ、忘れっぽくて絶対練習試合ももっと前から決まっていたはず。


｢烏野ってこの前男子が練習試合していた所？｣

｢うん、飛雄ちゃんいる所。｣

｢ダイナミック告白の子ね。｣


そうだ、飛雄ちゃんにも返事しなきゃいけない。
きっと勇気を出してくれた…


｢好きじゃないのに付き合うのは禁止ー！」

｢…佳奈ちゃん…｣



部活終わりのストレッチをして後は帰るだけ。

バレーが好き
…好きでも、少し疲れた。
自分の感情のせいなんだけどね。


更衣室にてジャージから制服に着替えていると、遅れて高梨ちゃん達も更衣室にやってくる。今週は彼女達がモップ掛けの係。


｢Aさん！｣

｢わっ、ビックリしたぁ。
どうしたの？｣

｢今日も国見と帰るんですか？｣

｢そうだけど。｣


この子は国見ちゃんが好きで、きっと私の事が気に食わないのだろう。
彼女でも無いのにいつも登下校を共にしているのも。


｢付き合ってませんよね？
私は中学から本気で好きなんです…！
Aさんならどんな人とでも付き合えるじゃないですか…お願いだから国見はやめてください！｣


悲痛な叫び、とでも名前を付けよう。
お願いと言いつつも私の事を見下ろして睨んでくる。

胸にある感情は｢なんかイヤ｣だ。



｢高梨ちゃんは国見ちゃんに気持ちを伝えたの？｣

｢伝えたいのにいつもAさんが居て伝えられないんです。｣

｢…帰りじゃなくても良いんじゃないの？
同じ学年なんだから休み時間も会えるよね｣

｢国見寝てるんで話せないです｣


確かに寝てそう…
机に伏して、すやぁ…ってしているのが目に浮かぶけど…

…少し煩わしい。


｢…私に、高梨ちゃんの為に、国見ちゃんと関わるな、って事で良いのかなぁ？」

｢え、えっと…はい…｣


｢その見返りに高梨ちゃんは何をしてくれるの？
友人を1人切るんだから、それ相応の対価を示してくれるの？｣

｢え…対価って…｣


にっこり。

自分の口角が上がっているのが分かる。


遅れて更衣室に入ってきた佳奈ちゃんやキャプテンが異変を察したのか間に入るけど高梨ちゃん泣いちゃった。



｢良いよ、今日は一緒に帰らない。
付き合うならもう国見ちゃんにも関わらないであげる。｣



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