国見ちゃんと可愛い方の及川さん[HQ!]

20*長兄とまくら ページ21

Aside


｢お兄ちゃん？！｣

｢やっほーA。
相変わらず可愛いね。｣


玄関に及川家の長男がいる。
国見ちゃんもなんか困ってる風だ。
来るなんて聞いてないのは、私が聞いていなかっただけらしい。


｢嫁さんの実家から果物と野菜たくさん貰ったからお裾分けに来たの。｣

｢ありがとう。
タケルは来てないの？｣

｢今は買い物行ってるよ。
それよりA〜、英君イケメンじゃん。｣


絡み方が徹。
顔も大人徹。

そう。とてもうざい。


｢イケメンだけど、彼氏じゃないよ。後輩。｣

｢Aさんが返事くれたら彼氏になれます。｣

｢ちょっ、国見ちゃん？！｣


お兄ちゃんも話振っておいて笑ってるし…
そんでもってタケル達と合流するからって颯爽と帰って行った。


｢ごめんね、変な絡み方して…｣

｢いえ、及川さんで慣れてるんで。
最初本人かと思いました。｣

｢…とりあえずお昼食べよ。｣


段ボールいっぱいの果物達は国見ちゃんが台所まで運んでくれ、意外と力はある事が分かった。
少し冷めたナポリタンを美味しいと言って食べてくれた事も嬉しかった。


家に国見ちゃんがいるのが何だか不思議。



午後は変わらず部屋で過ごす。


少し前にマッキーから国見ちゃんを連れてカラオケに合流しないか？って連絡が来たけど｢今日は行かない｣と断りを入れた。


｢カラオケ行くとついハメを外しちゃうの｣

｢タンバリン叩いてそう｣

｢惜しい、マラカス！
徹もいるとデュオばっかり歌わせられるけど、徹に負けたくないし相手も同じだからガチで歌ってる｣

｢想像付きます。｣

｢国見ちゃんの声。優しくて落ち着いてて好きだよ。バラードとか歌ってほしい｣

｢声だけですか？｣


人としても落ち着いているのになんと言うか｢虎視眈々感｣が強い。
ペースに巻き込むのがうまいと言うか。



並んで座ってDVDを二人で見ていたのだが、
…残念な事に国見さんは開始１０分で寝てしまった。

気持ちは分かる。部屋は春の日差しでポカポカで徹も居ないから静か。

私の肩に頭預けて寝られてしまったから動くに動けない。

私がパワー５のゴリラなら背もたれになっているベッドに乗せてあげられるけど、そこまで力はない。

近いな…と妙に意識するも相手は寝ている。



時間が経つに連れて、ずり下がりひざ枕状態で腰に手を回されている。

…抱き枕になった気分だ…


それにしてもサラサラした髪。
トリートメント何使ってるんだろ。

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