私の後輩マネが悪女モドキ(笑)をやめたら超お節介ストーカー系になって恋路がとんでもないことになってる

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そんなこんなで花巻に腕を引かれて連れてこられたのは、何個かある体育館のうちの1つの……いや、花巻が連れてきたってことはあれだろ、男バレだろ。

……第2体育館？いやもうどこでもいいけども。


そこには長い長い女子の長蛇の列があった。



「……これは？」


「男バレマネ希望の女子の列」


「へぇ。そんで私は何のために連れてこられたの、こんな列見せられてもよかったねとしか言えないけど？」



そう言ってきゃあきゃあ騒ぐ女子達を見て、何で騒いでんだろと思いながら、欠伸を零した。



「それだよ」


「……ん？」


「お前、その感じ興味ないだろ。……多分」


「は？」


「だから、ミーハーじゃないだろって」


「あー……うん、そうだと思う」



何せ、家族揃って顔がいいからな。私だけなんか系統違うんだよな。どっちかと言えば多分母さんに似てると思う。

……でも母さん綺麗な顔だったな。私ほんとに母さんから産まれたのかな。



「……私、峰口じゃなかったのか」


「何言ってんだよ峰口だろ」


「いや峰口だけど。……で、何？」



全く話が進まないから続きを促せば、花巻は返事をして続きを話し始めた。



「実は俺らの代に及川って言う鰹節頭のイケメン(笑)がいるんだけどさ」


「いやいやいやいや」


「何だよ」


「何だよ鰹節頭のイケメン(笑)って」


「及川」


「いやだから」



説明になってない謎の説明を繰り広げた花巻。たかが席が前後なだけのクラスメイト捕まえて何言ってんだともう帰ろうかと思って180度方向転換した時だった。



「待って！」



花巻ではない、凛とした綺麗な声が耳に届いた。

何事かと振り返れば、長蛇の女子列を掻き分けてこちらにやってくる人がいた。

背があまり大きくないのか、ぴょこぴょこと手だけが人の波の中から見えている状態だった。


やっと人の波を抜けたらしいその人は、ふう、と息をついてから笑った。






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