私の後輩マネが悪女モドキ(笑)をやめたら超お節介ストーカー系になって恋路がとんでもないことになってる

邂逅、春高予選。 ページ22

*








まぁ予想は出来てたわ。

同じ宮城だし同じバレーだし会場はひとつだし空は青いし。

最後のは結構どうでもいいけどとにかくそれだ。ほら、もう、ね。



「峰口〜！」


「峰口」


「あ、Aさん」


「エッ」



ちなみに今のは順番に菅原、ウシワカ、もなか、花巻である。

おい花巻なんでお前そんな声出してんの。てかさっさと選手は開会式の招集かかってんだから行けよ。



「久しぶりってほど久しぶりじゃないんだけど全員」



私がそう言って花巻の背を押す。とりあえず自分のとこのチームの奴くらいはどうにかしないと。



「あー、俺とデートしたもんなー！」


「峰口の家に行った」


「図書館で会ったの、そう言えば最近だったね」


「エッ」


「花巻うるさいはよ行け」


「峰口お前マジあとで尋問！」


「何でだよ」



そのまま花巻の背をぐいぐいと押して何とか岩泉のところまで連れて行った。まぁ私青城のマネだしあいつらのとこに戻る義理もなければそんな時間もない。

流石にもなか以外は大人しく自分のチームのとこに戻っただろ。

そんなことを思いつつ、縦1列に並んで会場入りを待つ花巻が振り返って松川に話し始めていた。



「なぁ松……俺もうダメだわ……」



花巻がそう言った直後、フクロウもびっくりな程にぐりんっとすごい勢いで後ろを向いた松川がそう言った。



「何、今度は何やらかしたの？峰口」



松川のすぐ後ろにいたのは私だけだったおかげでその恐怖に震える被害者は私だけだった。


一瞬引きつって喉が閉まり、「ヒェ」と言うなんとも言えない間抜けな声が漏れた。

マジこれふざけたとかじゃないから。信じて松川、そんな目の端吊り上げないで怖いから。



「待って私無罪。何もしてない」



試合以前に開会式始まる前からなんでそんな殺気すごいの。せめて相手チームの選手に向けて。



「じゃあここ数週間何してたの」


「遊んで遊んで勉強して遊んでた」


「そうじゃなくて」



間違ったこと言ってないのになんで否定されたの。間違いなく遊んで遊んで勉強して遊んでたよ。誘われたり偶然会ったりで。

……あﾞ。



「……男と遊んでたんだ？」


「いや、男女間の友情は成立すると思って」



いやなんだその弁解。弁解にもなってねぇわ。

てかなんで松川相手にそんな弁解してんの私。







*

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