私の後輩マネが悪女モドキ(笑)をやめたら超お節介ストーカー系になって恋路がとんでもないことになってる

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とりあえずパーカーを羽織って、部屋に置きっぱなしだったスマホを手に取り、私はそろそろと1階へと戻った。

……良く考えると別に男がいたところでそんな恥じらう必要なかったんじゃね私。


あー、でも条件反射か。

合宿の時、めんどくせーってうっすいTシャツ1枚でその下すぐ下着みたいなのとミニ丈のパンツって格好でフラフラしてて怒られたんだよなぁ。

偶然それで出くわした烏野の……あれ、金髪メガネくんの……お付き？いや違ぇ、確か山口くん。そう、あのアホ毛の山口くんに。

「みっ、峰口先輩!?な、その格好！駄目です今すぐマネ部屋に帰ってください！自分が女って自覚ありますか!?」って割と本気で怒られたんだった。思い出したわ。

流石にね、ほら、郁と同い年だったし、可愛かったからさ。


そんなことを思いつつ、未だ玄関にいる英太とウシワカを見て、私は「何してんの」と声をかけた。



「A。いや、お前に返さなきゃいけないのあったの、忘れててさ。でも寮の時間もあるし難しいなって思ってたら、若利が、ちゃんと申請書出せば良いって教えてくれて」


「いや逆に3年も寮いて気付かなかったのかよ」


「そんな遅い時間に寮を出ること無かったし……」


「……それもそうか」



まぁ、それでウシワカも一緒となると、ウシワカが知ってたからってことだよな普通に。

何で知ってるかまでは興味ないから今はいいとして。



「……ほんで、何で今返しに来たの？春高予選はこれからだし、大事な時期でしょ」


「大事な時期なのはお前もだろ。それにこれはお前の大事なお守りだ。俺がいつまでも持ってていいわけないからな」



そう言って英太が差し出してきたのは、いつぞやうちに泊まりに来てた際に貸していた、小さなロケットだった。

そのロケットは確かに唯一無二、この世に2つとない代物。私が母さんから貰った、最後のプレゼント。

何でそれを英太に貸していたかと言うと、まぁ、あれだ。

昔、母さんが英太を気に入っていたこともあってか、何かあると英太がいつもうちに逃げ込んでくるってことが小さい頃は日常だった。


そういうこともあってか、英太も母さんを見ると落ち着くらしく、ことあるごとに貸してはいたのだ。

そもそも、母さんが写った写真も数少ないし。









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