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月の光 5 ページ6

*








「なぁ日向」


「ん?」


「お前の部活に美人マネージャーと可愛いマネージャーいるじゃん」


「清水先輩と谷地さん?」


「そーそ。あんなマネに囲まれてんだしさぁ、少しくらい何かねぇの?」


「俺その質問二十回は聞いた!」



クラスメイトに毎日のように聞かれるその質問に「またかよー!」と笑う。

いっつも騒がしい俺の周り。

昼休みにもなれば「翔ちゃんさぁ」「なぁ日向!」と話しかけられることも多くて、ちょっと困ったりもする。昼休みはスガさんと自主練してたりするからだ。


確かに清水先輩は美人だし、谷地さんは可愛いと思うけど、でも今はバレーの方が大事だし、本気でオレンジコートを目指してるから、そんな余裕がないと思う。

……思うけど、こんなにまた話したいなー会いたいなーって思ったのは初めてだ、本当に。



「……今日の練習、早く終わったりしないよなー」



俺の小さな巨人への執着を知るスガさんとの昼休み自主練の際、ボソリと零したその言葉に、スガさんは見事に動きを止めた。



「ひ……ひなた、おまえ、」



あまりにも動揺した様子のスガさんは、すごくたどたどしく俺の名前を呼んだ。焦った俺は思わず叫んだけど、それと同時にスガさんもかっと目を見開いて叫んでいた。



「俺!別に練習が嫌とかじゃ!」


「日向お前まさか彼女か!?」


「……えっ、お、俺彼女とかいないですよ!?」



そんな時間ないし!と首と手を全力で振ると、スガさんは「そ……そうだよな!日向に彼女とかない、よな!うん、いっつもバレーに夢中……」と一瞬納得したのに、はっとなにかに気づいたような顔をしたかと思えば、俺の肩を思いっきり掴んで揺すってきた。



「日向お前昨日っ、昨日何で早く帰った!?日向が自主練しないとか事案だべどう考えても!」


「俺も分かんないです!何か早く帰ろうかなって、だから俺本当に何もないですから……!」



ガックガクに視界が揺れながらもそう答えると、「……そ、そう言う日もあるよな!うん!」とスガさんは自分に言い聞かせるように言った。



「日向家、遠いもんな!山越えるって言ってたし!」



俺から手を離してバレーボールを手に取ったスガさんはまだ混乱していたらしく、オーバーで高く上げたボールをキャッチし損ねて頭に食らっていた。






*

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西谷彩香(プロフ) - せみさん» コメントありがとうございます!日向のあの真っ直ぐな感じを活かしてどう作るかを考えた時に偶然登場してた(特に深い意味もないし名前もホントはなかった)合田おじさんが大活躍でしたあっぱれ。そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございました! (2018年10月6日 12時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
せみ - 感動しました!!日向は日向のままでいるとこんな作品が出来るのか、、、!とびっくりしました笑 本当に面白かったです!お疲れさまでした!これからも頑張ってください。 (2018年10月6日 10時) (レス) id: ac69ea21d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年8月15日 8時

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