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月の光 4 ページ5

*








次の日、俺は朝練のためにいつも通りの時間に起きて学校に向かった。

流石に朝早いこの時間だし、当然ながらいつも通り誰も見かけることなく、昨日橋田さんを見かけた辺りもすぐに通り過ぎた。


学校に着き自転車置場に自転車を止め、全速力で体育館に向かう。入口には、まだ誰もいなかった。今日は影山もいつもより遅いらしい。

珍しいとは思ったけど、そんな日もあんのかな、と納得した。だって俺も昨日自主練しないで帰ったし。


そう考えてから俺は気がついた。

俺、昨日は早く終わって自主練しないで帰ったから橋田さんに会えたんだ。普段は会えるはずがないから。

また会えたらいいな、なんて、俺が会いたいと思って昨日の時間にあの辺りに行かないと会えるはずがないんだ、連絡先も知らないし。


橋田さん、本当に嬉しそうだったし、バレーの話ばっかしてたのに、すげぇ楽しそうに聞いてくれた。

語り合いたい、って俺はあんまり思わない。小さな巨人に憧れているから、如何に小さな巨人がすごい人なのか、それを伝えたいだけだから。


橋田さんは、口を挟むことなく、相槌を打ちながら、「そうなんだ」「すごい」って聞いてくれてたから、だから俺、橋田さんと話してる時、一緒にいて、楽だって思ったんだった。


そこまで考えてぼんやりしてたら、「日向ボゲェ!!!!」って叫んで近づいてきてたらしい影山に気づけなくて、俺は思いっきりどつかれた。



「なっ、なんだよ影山!?お前朝から!俺の頭に!何してくれてんだよ!!」


「あぁ!?お前の頭のことなんか知るかよ!つーか今日のは不戦勝でもなんでもねぇからな!!ノーカンだボゲェ!!」


「ハァッ!?……影山くんが寝坊して、それが理由なのは恥ずかしいからってそんなこと許されていいんですか〜?」


「誰が寝坊だ、誰が!!寝坊なんかしてねぇしいつも通り家を出た!」


「じゃあなんでこんな時間なんだよ!」


「知らねぇよ俺が聞きてぇそんなもん!」



そう言われて色々考えて、考えすぎて頭がパンクしそうになったから、俺は考えることを放棄した。



「……ま、いっか!俺難しいこと考えんの苦手だし!」



直後、影山に「いいわけあるか!」と殴られたのは言うまでもない。








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西谷彩香(プロフ) - せみさん» コメントありがとうございます!日向のあの真っ直ぐな感じを活かしてどう作るかを考えた時に偶然登場してた(特に深い意味もないし名前もホントはなかった)合田おじさんが大活躍でしたあっぱれ。そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございました! (2018年10月6日 12時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
せみ - 感動しました!!日向は日向のままでいるとこんな作品が出来るのか、、、!とびっくりしました笑 本当に面白かったです!お疲れさまでした!これからも頑張ってください。 (2018年10月6日 10時) (レス) id: ac69ea21d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年8月15日 8時

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